(世界ランクシリーズ その7 2022年版)
国連などの国際機関あるいは世界の著名な研究機関により各国の経済・社会に関するランク付け調査が行われている。これらの調査について日米中など世界の主要国及びトルコ、エジプト、イランなど中東の主要国のランクを取り上げて解説するのが「世界ランクシリーズ」である。
第7回の世界ランクは、スウェーデンの「ストックホルム国際平和研究所(Stockholm International Peace Research Institute, 略称SIPRI)」のホームページに発表されたデータベースの中からSIPRI Military Expenditure Database及びSIPRI Arms Transfers Databaseを取り上げ、2021年の世界と中東主要国の軍事費、一人当たり支出、GDPに占める比率及び政府歳出に占める割合を比較する。また2012年から2021年までの10年間にわたる各国の武器輸出入合計額についても分析する。
*SIPRIホームページ:http://www.sipri.org/databases
(圧倒的な米国の軍事費、2位中国の3倍、日本の15倍!)
1.軍事費支出の比較 (図http://rank.maeda1.jp/7-G01.pdf 参照)
世界で軍事費が最も多いのは米国で2021年の支出額は8,007億ドルである。同年の世界全体の軍事費は2兆771億ドルであり、同国だけで世界の4割弱を占めている。これに次ぐのは中国の2,934億ドルであるが、米国の3分の1強にとどまっている。それでも中国の軍事費が世界に占める割合は14%であり、米国と中国二カ国を合わせると世界の軍事費の5割を超える。
これら2カ国に続くのがインド(766億ドル)であり、世界全体の4%を占めている。4位から10位までは、英国(684億ドル)、ロシア(659億ドル)、フランス(566億ドル)、ドイツ(560億ドル)、サウジアラビア(556億ドル)、日本(541億ドル)及び韓国(502億ドル)の各国である。因みに日本の軍事費を他国と比べると、米国は日本の15倍、中国も日本の5倍である。また韓国は日本をわずかに下回る規模である。
中東の主要国を見ると、サウジアラビアが556億ドル(世界8位)、イラン246億ドル(同14位)、イスラエル243億ドル(世界15位)、トルコ155億ドル(同18位)である。エジプトは中東で人口が最も多く、軍が国家権力を握っているが、経済規模が小さいため、軍事費は52億ドルにとどまっている。これはサウジアラビアの10分の1以下、イスラエルの5分の1であり、世界43位の規模である。
(注)UAEの軍事費について:
SIPRIの統計ではUAEの軍事費は2014年以降明示されていないが、2014年以前の同国の軍事費はイスラエル、トルコ、イランを上回っており、世界10位前後に位置している。また、後述する通り2012年から2021年までの10年間の武器輸入額はオーストラリアに次ぐ世界6位の規模である。これらのことからUAEの軍事費は世界のトップテンに並ぶものとみて間違いない。
(続く)
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