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石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

IMF世界経済見通し(2025年4月):トランプ関税で大幅減速の世界経済(4完)

2025-05-05 | その他
(余裕の世界1位米国、息切れする2位中国、3位をうかがうインド!)
4.五大国(米中独印日)のGDP推移
2025年のドル建て名目GDPが世界上位の5カ国(米、中、独、印、日)について2005年以降の順位の変遷を見ると、2005年トップの米国のGDPは13兆ドルであった。これに続くのが日本の4.8兆ドルであり、3位以下はドイツ2.9兆ドル、中国2.3兆ドルであった。この時インドのGDPは8千億ドルで米国の16分の1、日本の6分の1にとどまっていた。

その後、中国のGDPの伸びは目覚ましく、2007年にドイツを追い抜き、さらに2010年には日本も追い越して米国に次ぐ世界2位のGDP大国に成長している。その時点では中国のGDPは米国の2分の1にとどまっていたが、成長率は米国を大幅に上回った結果、2021年には米国の8割弱まで追い上げている。但し2022年以降は成長率が鈍化し、首位米国との格差はむしろ拡大しており、今年の中国のGDPは米国の6割強である。

日本とドイツの過去20年間のGDPは低成長を続けており、特に日本は2011年以降ゼロ成長に近い状態が続き、2023年にはドイツにも追い抜かれ世界4位に転落している。一方、インドは過去20年間安定した高度成長を続けている。2005年には日本の6分の1、ドイツの4分の1の8千億ドルに過ぎなかったインドのGDPは、2007年に1兆ドル、2014年には2兆ドル、2021年に3兆ドルを超え、今年(2025年)はわずかながらも日本を追い抜いて世界第4位のGDP大国に成長している。IMFではこの趨勢が続けば2028年にインドはドイツを追い抜いて世界3位になると予測している。

2005年を基準として2025年の増加率をみると、米国の2.3倍に対し、中国は8.3倍、インドは5.1倍であるが、ドイツは1.6倍にとどまり、日本の場合は0.9倍と20年前の水準を下回っている。ここで取り上げたGDPは名目のドル換算であるため、日本は円高の影響を強く受けていることが背景にある。

以上

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