(世界ランクシリーズ その7 2020年版)
(2013年に日本を追い抜いたサウジアラビアの軍事費!)
5.中東主要国と日本の軍事費の推移(2011年~2020年)
(図http://rank.maeda1.jp/7-G05.pdf参照)
中東の主要な国及び日本の過去10年間(2011年~2020年)の軍事費の推移を比較すると、2011年の軍事費は日本が608億ドルで最も多く、これに次ぐのはサウジアラビアの485億ドルであった。イスラエル及びイランは各々152億ドルおよび143億ドルで日本の約2割、エジプトはさらに少ない45億ドルでサウジアラビアの10分の1にとどまっていた。
2011年から2015年にかけてはサウジアラビアの軍事費が急増、一方日本は減少したため、2013年にはサウジアラビア670億ドル、日本490億ドルと逆転した。そして2015年のサウジアラビアの軍事費は日本(421億ドル)の2倍以上の872億ドルに膨らんでいる。この間イスラエルは微増、イランは100億ドル前後まで減少した。なおサウジアラビアと並ぶ湾岸産油国のUAEは2011年の軍事費が192億ドルであり、イスラエル及びイランを上回り、この状態は2014年まで続いている。しかし、SIPRI統計は2015年以降同国の軍事費を明示していない。一方、後述する通り2011年から昨年までの国別武器購入累計額ではUAEの武器輸入額は世界6位である。このことからUAEの軍事費は現在も中東ではサウジアラビアに次ぐ水準にあると見て差し支えないであろう。
2015年以降の各国の軍事費の推移を見ると、サウジアラビアは減少傾向にあり2020年の軍事費は575億ドルであり、日本(491億ドル)に比べると17%多い。イスラエルの軍事費は過去10年間漸増傾向にあり、2020年の軍事費(217億ドル)は10年前の1.4倍である。一方、イラン及びエジプトは横ばい状態である。
(続く)
本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp