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http://mylibrary.maeda1.jp/0534MjorEneosIdemitsuMar2021.pdf
*2020年(度)業績比較表1-D-4-25 及び2021年1-3月期業績比較表1-D-4-26参照。
2. 売上高利益率
(ExxonMobil、Shell、bpはマイナス10%以上!)
(1)2020年(度)年間売上高利益率
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-5-03.pdf 参照)
昨年(度)の売上高利益率はENEOS及び出光の日系2社はプラスであったが、メジャーズ5社はすべてマイナスであった。特に売上高1位、2位のExxonMobil及びShellの利益率は共に▲12%を超えており、bpも▲11%と3社が二桁の損失率となっている。またChevron及びTotalもそれぞれ▲5.9%、▲5.1%であった。
これに対してENEOSの利益率は1.5%、出光は0.8%のプラスであった。コロナ禍の影響を受け多くの日本企業が多大な損失を余儀なくされている中でともかくも利益率がプラスであったことは喜ばしい。但しこれは行政の石油政策によりガソリンなどの末端製品価格を原料である原油価格にスライドさせることができる仕組みに助けられている面が大きい。即ち原油価格が上昇すれば石油製品をスライドして値上げする仕組みであり、損失を免れることができるからである。もちろん、逆に原油価格が下がれば末端製品価格も下げることが求められており、Windfall Profit(原料安製品高のタナぼた利益)も期待できない。日本の石油精製業は原油の買い付けとその精製に依存する限り水面下すれすれの利益を保証された低位安定型事業となる宿命を抱えている。
(続く)
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