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http://mylibrary.maeda1.jp/0459OilMajor2018.pdf
国際石油企業(International Oil Companies, IOCs)の2018年第4四半期(10-12月)及び年間(1-12月)の決算が発表された。本稿ではExxonMobil(米)、Shell(英蘭), BP(英), Total(仏)及びChevron(米)の主要5社を取り上げ、各社の売上高、利益、投資額、石油・ガス生産量等を概観し、さらに5社の業績比較を行う。
I. 各社の業績概要
(表:http://menadabase.maeda1.jp/1-D-4-20.pdf 参照)
(天然ガスの生産量が大幅に減少!)
1. ExxonMobilの2018年第4四半期(10-12月)及び通年(1-12月)の業績
*同社ホームページ:
https://news.exxonmobil.com/press-release/exxonmobil-earns-208-billion-2018-6-billion-fourth-quarter
(1)売上高
ExxonMobilの2018年10-12月の売上高は719億ドルであり、また通年売上高は2,902億ドルであった。前年同期比ではそれぞれ+8.1%の増益及び+18.8%の増収である。増収の要因は対応する期間の原油価格がアップしたためであり、例えば代表的な指標油種である北海Brent原油の2017年の平均価格は54.19ドル/バレルであり、これに対して2018年のそれは71.31ドルドルであり、また第4四半期の平均価格も2017年の61.26ドルに対して2018年は68.81ドルに上昇している[1]。後述する通り2018年の石油・天然ガスの生産量は2017年を下回っていることからも増収要因が原油価格の上昇であったことが解る。
(2)利益
10-12月期及び通年の利益はそれぞれ60億ドル及び208億ドルであり、前年同期と比較すると10-12月期は約3割減少、通年では6%の増益であった。通年利益のうち上流部門の利益は2017年の134億ドルに対して2018年は141億ドルとわずかながら増加している。また下流部門も2017年の56億ドルに対して2018年は60億ドルであった。(注、最終損益額には石油化学部門その他の損益が合算されているため、部門別の上流・下流部門の損益合計額とは一致しない。)
上流部門の利益と下流部門の利益を比較すると、2017年、2018年とも上流部門が下流部門の2.4倍であり、原油価格がアップしたためと考えられる。即ち原油価格の上昇により上流部門で利益が出る一方、下流部門は原料価格の上昇により利益が圧迫されたのである。この傾向は他の4社もほぼ同様である。
(3)売上高利益率
通年ベースの売上高利益率は7.2%であり、前年の8.1%に比べ若干低下している。
(4)設備・探鉱投資
2018年の年間の設備・探鉱投資額は259億ドルであり、2017年の231億ドルに比べ12%増加している。
(5)石油・ガス生産量
昨年のExxonMobilの石油生産量は日量平均2,266千バレル(以下B/D)であり、前年(2017年)の2,283千B/Dとほぼ同水準である。天然ガスは日量平均9,405百万立法フィート(以下mmcfd)であり前年の10,211mmcfdを8%近く下回っている。後に述べるようにBP及びChevronが前年比で14%強増加しており、Shell或はTotalもほぼ前年並みであることと比べ、ExxonMobilの減産幅は際立って大きい。
(続く)
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前田 高行
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