石油と中東

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五大国際石油企業2017年7-9月期決算速報(付JXTGグループ業績)(2)

2017-11-20 | 海外・国内石油企業の業績

(注)本レポートは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。

 http://mylibrary.maeda1.jp/0426OilMajor2017-3rdQtr.pdf

 

2017.11.20

前田 高行

 

1. 五社の7-9月期業績比較

(表:http://menadabase.maeda1.jp/1-D-4-22.pdf 参照)

 五社を横並びで比較すると売上高、総合利益及びガス生産量ではShellがトップである。しかし上流部門利益、下流部門利益、設備投資、原油生産量及び原油・天然ガス合計生産量の各部門ではExxonMobilがトップであり、売上高利益率ではTotalが最も高い。なお今期の五大石油企業は全社黒字である。

 

(1) 売上高(図:http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-51.pdf 参照)

 2017年7-9月の売上高は5社ともに前年同期より増加した。各社の売上高および対前年同期の増加幅は、ExxonMobilが662億ドル(13%増)、Shell758億ドル(23%増)、BP 600億ドル(28%増)、Total 430億ドル(15%増)、Chevron 362億ドル(20%増)であった。

 各社の増収率はいずれも原油・天然ガス生産量の増加率(別項参照)を上回っている。これは今期の原油ガス販売単価が昨年の同期よりも高くなったことによる。因みに販売単価をShellの決算資料で見ると、昨年7-9月期はバレル当たり平均40.43ドルであったものが、今期は47.06ドルと16%アップしている。原油価格の上昇がそのまま各社の売上高の増加に反映されたと言えよう。

 

 JXTGの2017年7-9月期の売上高は4兆6,845億円(422億ドル)であった。これは国際石油企業5社で売り上げが最も大きいShell(758億ドル)の6割であり、5社の中で売り上げが最も少ないChevron (362億ドル)を上回っている。

 

(2) 総合利益 (図:http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-52.pdf 参照)

 前年同期に引き続き今期も5社すべてで利益を計上している。利益額が5社の中で最も大きいのはShellの43億ドルであり前年同期(14億ドル)の3倍である。Shellに次いで利益が多いのはExxonMobilの40億ドルであるが、前年同期比で50%増である。残る3社の利益はTotalが27億ドルでShellあるいはExxonMobilの7割弱であり、Chevron(20億ドル)及びBP(18億ドル)は上位2社の半分以下である。なお3社を前年同期と比較するとChevronは50%増、Totalも40%増であるが、BPのみは10%増にとどまっており、4社に対して見劣りがする。

 

 なおJXTGの四半期利益は1,818億円(16億ドル)であり国際石油5社のいずれよりも低い水準である。

 

(続く)

 

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        前田 高行         〒183-0027東京都府中市本町2-31-13-601

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                               E-mail;maedat@r6.dion.ne.jp

 

 

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