石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

BPエネルギー統計レポート2013年版解説シリーズ:天然ガス篇10 消費量(1)

2013-07-29 | その他

 

(注)本シリーズ「BPレポート天然ガス篇」は「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。

 

http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0275BpGas2013.pdf

 

 

3.世界の天然ガスの消費量

(地産地消型の北米、域外輸入型のアジア・大洋州!)
(1)地域別消費量
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/2-3-G01.pdf 参照)
 2012年の世界の天然ガス消費量は3兆3,144億立方メートル(以下㎥)であった。これは日産3,198億立法フィート、石油換算では年産29億8,710万トンである。

 地域別では欧州・ユーラシアが1兆833億㎥と最も多く全体の33%を占めている。これに次ぐのが北米(9,065億㎥、27%)、アジア・大洋州(6,250億㎥、19%)であり、これら3地域で世界の8割を占めている。その他の地域は中東4,118億㎥、中南米1,651億㎥、アフリカ1,228億㎥であった。アフリカの天然ガス消費量は世界全体の4%で、欧州・ユーラシアの10分の1にとどまっている。

 各地域の消費量と生産量(前章参照)を比較すると、欧州・ユーラシアは生産量の世界に占めるシェアは31%に対し消費量のシェアは33%であり、北米の生産量シェアと消費量シェアは同じ27%である。その他の地域は中東(生産量シェア16%、消費量シェア12%)、アジア・大洋州(同15%、19%)、中南米(同5%、5%)、アフリカ(同6%、4%)である。北米及び中南米は生産と消費の比率が等しく地域内で需給がほぼバランスしていることがわかる(域内消費型、地産地消型)。

 これに対して中東及びアフリカは生産が消費を上回っており、一方アジア・大洋州と欧州・ユーラシアは消費が生産を上回っている。このことから天然ガスは中東/アフリカ地域から欧州・ユーラシア/アジア・太平洋地域へと地域を超えた貿易が行われている様子がうかがえる(域外貿易型、なおガス貿易については次章で詳述)。

 (続く)

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
   E-mail; maedat@r6.dion.ne.jp

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする