(注)本シリーズ「BPレポート天然ガス篇」は「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。
http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0275BpGas2013.pdf
1.世界の天然ガスの埋蔵量と可採年数(続き)
(国別埋蔵量ではイランとロシアがトップ、6割をおさえる「ガス輸出国機構」!)
(2)国別の埋蔵量
(表http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/2-1-T01.pdf参照)
2012年末の国別埋蔵量を見ると、イランとロシアがほぼ同量の33.6tcm(兆立方メートル)、32.9tcmで世界1位、2位であり、両国合わせて世界の36%を占めている。なお前節でふれたとおりBPは今回埋蔵量を見直しており、昨年1位のロシア(44.6tcm)が下方修正されたためトップが入れ替わっている。第三位カタール(25tcm、シェア13%)、第四位トルクメニスタン(18tcm、9%)であり、これら4カ国だけで世界の埋蔵量の6割を占めている。5位以下、10位までは米国(世界シェア4.5%)、サウジアラビア(4.4%)、UAE(3.3%)、ベネズエラ(3.0%)、ナイジェリア(2.8%)、アルジェリア(2.4%)と続いており、上位10カ国の世界シェア合計は79%に達する。
因みに天然ガス生産国の一部の国はガス輸出国フォーラム(GECF)を結成している。GECFは2001年に結成され、現在は正式メンバーがロシア、イラン、カタール、アルジェリアなど12カ国及びオブザーバーがノルウェーなど3カ国の合計15カ国で構成されている(*)。GECF加盟国の2012年末の天然ガス埋蔵量は合計115tcmであり、全世界の埋蔵量の62%を占めている(正式メンバー国のみの場合は60%)。
(*)ガス輸出国フォーラム(GECF)メンバー
正式加盟国(12ヶ国):ロシア、イラン、カタール、ベネズエラ、ナイジェリア、アルジェリア、エジプト、リビア、オマーン、トリニダード・トバゴ、ボリビア、エクアトール・ギニア
オブザーバー参加国(3カ国):ノルウェー、カザフスタン、オランダ
GECF自体は加盟国相互間で世界の天然ガス市場の需給・価格情報を共有することが目的であり、OPEC(石油輸出国機構)のような生産カルテルではない。しかし消費国の一部にはGECFを「天然ガスのOPEC版」と警戒する向きもあり、今後の動向が注目されている 。
(続く)
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