Cape Fear、in JAPAN

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シネマしりとり「薀蓄篇」(452)

2023-03-28 00:10:00 | コラム
とーくれでぃ「お」→「お」くやまかずよし

映画監督としての顔も持つ映画プロデューサー、奥山和由68歳。

このひとで想起するコト・モノは、6つ。

①北野武との衝突、
②『RAMPO』騒動、
③シネマジャパネスク、
④松竹クーデター、
⑤チームオクヤマ設立、
⑥チームオクヤマへの持ち込み、、、くらいかな。

って、充分多いよ!

日本の映画プロデューサーで、
こんな風にいくつも思い浮かぶものがあるひとって、奥山さん以外は鈴木「ジブリ」Pと角川さんくらいじゃないかな。

では、そんな6項目を大雑把に解説していきますか。


①様々な偶然が重なった結果とはいえ、北野武に映画を監督させたのは奥山さん。


『その男、凶暴につき』(89)を観ただけで「それはムリな話なんじゃないか…」と思えるのは現在の視点でしょう、
当時は様々な可能性に溢れていたからこそ「日本で『ダイハード』のような映画を」で意気投合したのかもしれない、

しかし出来上がった作品が『ソナチネ』(93)だったことから「もう武とは映画を創らない」と激怒、文藝春秋に手記を載せたこともありました。

傑作にちがいはなかったけれど、プロデューサーとしては映画の出来云々ではなかったのだろうね。

※でも、その後も「俳優としてのビートたけし」は信用して起用しつづけるのがよかった^^


②そんな大物とも「きっちり揉める」ひとであるからして、『RAMPO』(94)の出来に失望・激怒して「じゃあ自分で監督を!」と決断したのも頷ける。



まぁどっちにしても『RAMPO』は凡作でしたが(^^;)(^^;)

③低予算映画を専用映画館でのみ上映するシネマジャパネスクという試みは、主にインディーズ作家に好評を得るものの・・・

④98年1月19日、取締役会で「なんと2分間の決議」により松竹取締役を解任され、シネマジャパネスクの運営も白紙状態に。
これがいわゆる、松竹クーデター。

面白いことを起こすひとは、敵も多かったということか。
しかしこのひとが凄いのは、転んでもただでは起きない精神力。

同年のうちに、
⑤「チームオクヤマ」を設立し、行動を起こす。

自分は、チームオクヤマが募集していた
⑥映画の長編シナリオを持ち込む。

評価は芳しくなかったものの、幹部さんから直接電話があって「ここがダメ、ここはよかった」といってくれたのには感激したものです。


結論。
角川春樹と同様、「おさわがせプロデューサー」であることは否定しないが、
日本映画界を憂い、常に新たな一手を打とうとする姿勢は尊敬に値すると思う。

昔ほど勢いはなくなったものの、いまだって戦っている。

上記した作品以外で、おさえておくべき映画は・・・

『丑三つの村』(83)、『V.マドンナ大戦争』(85)、

『忠臣蔵外伝 四谷怪談』(94)、


『ほとりの朔子』(2014)、


『この国の空』(2015)、『火 Hee』(2016)、『エリカ38』(2019)、『海辺の映画館―キネマの玉手箱』(2020)あたりですかね^^


次回のしりとりは・・・
おくやまかずよ「し」→「し」んしあぎぶ。

…………………………………………

明日のコラムは・・・

『テノヒラガエシ、ぜんぜんあり。だとは思うけれど。。。』
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