Cape Fear、in JAPAN

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シネマしりとり「薀蓄篇」(451)

2023-03-27 00:10:00 | コラム
すかー「と」→「と」ーくれでぃお

印象的なラジオDJ/パーソナリティが登場する映画は意外と多い。

『アメリカン・グラフィティ』(73)のウルフマン・ジャックや『ドゥ・ザ・ライト・シング』(89)のミスター・セニョール・ラブ・ダディ、
「声のみ」であれば、『レザボア・ドッグス』(92)のK・ビリーとか。

テリー・ギリアムの『フィッシャー・キング』(91)に登場する、ジャック(ジェフ・ブリッジス)も忘れ難い。

ジャックはリスナーへの過激な煽りを売りにしていたが、そのことが遠因となって事件が起こってしまい、、、という物語。

この映画を挙げるひとはとても多い、
しかし、ジャックと同じようなキャラクターが「やはり」暴走する『トーク・レディオ』(88)を挙げるひとは滅多に居ない。

観て損はない、埋もれた名作です。


監督は、嫌われることの多い・笑 オリバー・ストーン。

嫌いじゃないですよ自分は。
むしろ、かなり好きなほうです。


ストーンが代表作『プラトーン』(86)と『7月4日に生まれて』(89)のあいだに「こっそり?」撮った小品で、
主演エリック・ボゴシアンが著した舞台劇を原作としており、
この原作は、84年に実際に発生した「アラン・バーグ殺害事件」がヒントになっている。

自分も有吉ちゃんと爆笑問題のラジオ番組を繰り返し聴くヘビーリスナーだけれど、
テレビや、いまでいうと動画サイトとかと比べてラジオって発信者との距離感が「だいぶ」近いのよね、
だから、勘違いや軋轢も生じ易いのかもしれない。

こういう題材で現代アメリカの病理を突くところは、いかにもストーンらしい。

さて、そんなストーンも76歳。

スコセッシ80歳、そして同年にはスピルバーグが居て、このふたりが異様に元気なのがおかしいのであって、ふつうは衰えが見えるでしょう。
実際ストーンも以前の説教臭さ(これが嫌われる最大の理由だった)が薄まり、割とフツー?の映画を撮るようになってきた。

その変化ゆえ最近の新規映画ファンには嫌われなくなってきたが苦笑、
ともあれ、このひとも再評価の時期に来ているような気がする。

監督として頭角を現す前に、脚本家として『ミッドナイト・エクスプレス』(78)や『スカーフェイス』(83)を手がけているんだよ?
監督としてはベトナム物以外でも『JFK』(91)は傑作だし、なにより編集のセンスが抜群でこのあたりはスコセッシに通ずるところがあるのではないか。

いっぽうで、『Uターン』(97)のような小規模なブラックコメディも器用にこなす。
けれども小規模ゆえ、『プラトーン』は観ていても『トーク・レディオ』や『Uターン』はタイトルさえ知らない映画ファンのほうが多いと思う。

・・・うん、やっぱり再評価の時期ですよ、
町山さんとりあえず来期の「午前十時の映画祭」で、大作じゃないほうのストーン映画をセレクトしてくださいな!!




あすのしりとりは・・・
とーくれでぃ「お」→「お」くやまかずよし。

…………………………………………

明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(452)』
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