Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(318)

2020-02-16 00:10:00 | コラム
だー「てぃ」→「てぃ」っぴへどれん(ティッピ・ヘドレン)

自分が映画好きを自覚し始めたころと、メラニー・グリフィスが色気を振りまいていたころは一致していて。

デ・パルマの『ボディ・ダブル』(84)なんか本筋よりも、とにかくメラニーに目が行って(イって)しまったクチなのです。

で、極めつけは『ミルクマネー』(94)。



このビッチな格好は、自分の上の世代にとってのジェーン・フォンダかな、、、なんて。

メラニーがママのティッピ・ヘドレンと共演したのは、90年の『パシフィック・ハイツ』。

※そのころのメラニーの旦那、アントニオ・バンデラスとのスリーショット



やっぱり親子、似てますなぁ!

しかしティッピの女優としてのキャリアは、すでに終わっていました。

ヒッチコックの怪作『鳥』(63)で鮮烈デビューを飾るも、ほかの代表作といったら翌年の『マーニー』(64)くらい。

これほどの美貌を持っていて、人気者になれなかった?

いや、これほどの美貌を持っていたからこそ…といえるのかどうか。




ヒッチコックがブロンド美女を偏愛していたのは有名な話。

バーグマンやグレース・ケリーに対してもそうだった―とは思わないけれど、ヒッチコックは新人女優ティッピを支配しようとします。

文字どおりの「支配」。

簡単にいえば、「俺の女になれば、将来のキャリアを約束する」っていうね。

やっていることは、業界を追放されたワインスタインと同じなんだよね。

しかしティッピはそれを拒否、自身の尊厳を守る代償としてキャリアが潰えてしまったと。。。


時代がちがえば、ヒッチコックも糾弾されていたはず。
ティッピがえらいのは、それを告発することもなく、終わってしまった自分のキャリアを甘んじて受け入れ、テレビの世界で細々と活動をつづけたところ。

こうした背景から、ヒッチコックを嫌う映画好きが居ることもたしかで。
その気持ち、すごーーーく分かる。

ただ、才能はまちがいなくあって。

このあたり、ほんとうに難しいのです「映画好きとしてのスタンスの取りかた」が。

いかにヒッチコックがすごかったかを語り合っていても、頭のどこかではティッピのことを考えてしまうっていうね。


そう考えるほど、惜しい俳優さんであったということです。





次回のしりとりは・・・

てぃっぴへど「れん」→「れん」さ。

…………………………………………

明日のコラムは・・・

『ちがう、そうじゃない。』
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