こーとにーら「ぶ」→「ぶ」らいあんでぱるま
わが神監督トップテンのひとりに含まれる、ブライアン・デ・パルマ。
※何度か組んだことがある、教授との珍しいツーショット!
82歳。
スコセッシ、デ・ニーロ、パチーノ、スピルバーグ、(いよいよ動き出した)コッポラのような「元気過ぎる」同世代の仲間たちに比べたら「やや」衰えた感はあるが、70~80年代の創作活動は、上に挙げた天才をも凌駕する活躍だった。
気難しいところがあって、機嫌が悪い日のインタビューではスタジオや同業者たちの悪口ばかりをいっている。
友人としてなら面倒くさいなぁ!と思うかもしれないけれど、こういうところも芸術家っぽいなぁ!と思わせてくれて個人的にはうれしい。
よく知られた話だが、『タクシードライバー』(76)は元々デ・パルマが撮る予定だった。
彼のバージョンも観たかった気もするが、「これは君が撮るべきだ」とスコセッシに譲ったデ・パルマは、うん、やっぱり自分自身のことを分かっていて、ひとを見る目もあるってことじゃないのかな。
一時期は、「ヒッチコックのモノマネばかりする三流の監督」などと悪口をいわれた。
たしかに同ジャンル(サスペンス・スリラー)を得意としたが、描きたかったことはまるでちがう。
物語も描写もひどく暴力的かつ扇情的で、人間なんてこんなものだよというある種の諦観が見て取れる。
ただそこには必ず、彼ら彼女らなりの愛があった。
しかし愛は報われない、その哀しみが結末の情感を生む。
スプリットスクリーン(画面の分割)や極端な長回し、スローモーションといった映像の一大特徴に隠れがちだが、
デ・パルマには徴兵を拒否した過去があって、戦争を忌み嫌う一面―『ロバート・デ・ニーロのブルーマンハッタン/BLUE MANHATAN2・黄昏のニューヨーク』(68)、『カジュアリティーズ』(89)、『リダクテッド 真実の価値』(2007)―も忘れてはいけないだろう。
以下、悩みに悩んで選出する5選。
『キャリー』(76)
キングの長編処女作を映画化、主演のシシー・スペイセクに尽きるとは思うが、プロムナイトにおける執拗に過ぎる長回しの快楽といったら!!
『悪魔のシスター』(72)
「シャム双生児のいっぽうが殺人者」という設定自体が現代ではアウトかもしれない。
『殺しのドレス』(80)
美術館のシーンの官能性。
デ・パルマは、ココさえ撮ることが出来れば辻褄なんてどうだっていい!という覚悟で創っている。そこが素晴らしい。
最もイヤらしかったころの、ナンシー・アレンの魅力も全開。
『カリートの道』(93)
(幸福まで)あともう少しだったのに・・・。
映画ファンの支持率は『スカーフェイス』(83)のほうが高いのだろうけれどね。。。
『ファントム・オブ・パラダイス』(74)
ロック版『オペラ座の怪人』として知られるが、観終えたあとの感慨はオリジナルを軽々と超えちゃったのよね自分は。
次回のしりとりは・・・
ぶらいあんでぱる「ま」→「ま」いどく。
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『今年ほどカンヌに行きたいと思った年はなく^^』
わが神監督トップテンのひとりに含まれる、ブライアン・デ・パルマ。
※何度か組んだことがある、教授との珍しいツーショット!
82歳。
スコセッシ、デ・ニーロ、パチーノ、スピルバーグ、(いよいよ動き出した)コッポラのような「元気過ぎる」同世代の仲間たちに比べたら「やや」衰えた感はあるが、70~80年代の創作活動は、上に挙げた天才をも凌駕する活躍だった。
気難しいところがあって、機嫌が悪い日のインタビューではスタジオや同業者たちの悪口ばかりをいっている。
友人としてなら面倒くさいなぁ!と思うかもしれないけれど、こういうところも芸術家っぽいなぁ!と思わせてくれて個人的にはうれしい。
よく知られた話だが、『タクシードライバー』(76)は元々デ・パルマが撮る予定だった。
彼のバージョンも観たかった気もするが、「これは君が撮るべきだ」とスコセッシに譲ったデ・パルマは、うん、やっぱり自分自身のことを分かっていて、ひとを見る目もあるってことじゃないのかな。
一時期は、「ヒッチコックのモノマネばかりする三流の監督」などと悪口をいわれた。
たしかに同ジャンル(サスペンス・スリラー)を得意としたが、描きたかったことはまるでちがう。
物語も描写もひどく暴力的かつ扇情的で、人間なんてこんなものだよというある種の諦観が見て取れる。
ただそこには必ず、彼ら彼女らなりの愛があった。
しかし愛は報われない、その哀しみが結末の情感を生む。
スプリットスクリーン(画面の分割)や極端な長回し、スローモーションといった映像の一大特徴に隠れがちだが、
デ・パルマには徴兵を拒否した過去があって、戦争を忌み嫌う一面―『ロバート・デ・ニーロのブルーマンハッタン/BLUE MANHATAN2・黄昏のニューヨーク』(68)、『カジュアリティーズ』(89)、『リダクテッド 真実の価値』(2007)―も忘れてはいけないだろう。
以下、悩みに悩んで選出する5選。
『キャリー』(76)
キングの長編処女作を映画化、主演のシシー・スペイセクに尽きるとは思うが、プロムナイトにおける執拗に過ぎる長回しの快楽といったら!!
『悪魔のシスター』(72)
「シャム双生児のいっぽうが殺人者」という設定自体が現代ではアウトかもしれない。
『殺しのドレス』(80)
美術館のシーンの官能性。
デ・パルマは、ココさえ撮ることが出来れば辻褄なんてどうだっていい!という覚悟で創っている。そこが素晴らしい。
最もイヤらしかったころの、ナンシー・アレンの魅力も全開。
『カリートの道』(93)
(幸福まで)あともう少しだったのに・・・。
映画ファンの支持率は『スカーフェイス』(83)のほうが高いのだろうけれどね。。。
『ファントム・オブ・パラダイス』(74)
ロック版『オペラ座の怪人』として知られるが、観終えたあとの感慨はオリジナルを軽々と超えちゃったのよね自分は。
次回のしりとりは・・・
ぶらいあんでぱる「ま」→「ま」いどく。
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明日のコラムは・・・
『今年ほどカンヌに行きたいと思った年はなく^^』