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にっぽん女優列伝(3)赤木春恵

2017-03-12 00:10:00 | コラム
24年3月14日生まれ・92歳。
満州出身。

公式プロフィール


赤木春恵(あかぎ・はるえ)さんといえば、
『3年B組金八先生』シリーズ(79~)の君塚美弥子・校長先生、『渡る世間は鬼ばかり』シリーズ(90~2013)の小島キミ役で有名。

ともにTBSが誇る人気ドラマであり、映画女優のイメージはありませんでした。

それにしても小島キミって、イヤなキャラクターです。
イヤミや小言を発するためだけに喋っているというか、そんなサイアクなキャラクターをリアリティたっぷりに演じる赤木さんは大したもの。

これほど巧ければ、樹木希林のように映画で重要なキャラクターを演じられるはずなのになぁ、、、と思っていました。
デビューしてしばらくは映画でキャリアを築いていたものの、ほとんどが女中さんや女将さんなどの端役。

そんな赤木さんが「初」主演となった映画は、2013年の『ペコロスの母に会いに行く』。




「88歳と175日」での初主演により、ギネス記録「世界最高齢での映画初主演女優」として認定もされています。

認知症になった母親と、その息子の物語を軽やかに描き、この年のキネマ旬報ベストワンに輝いた佳作。

その制作過程を知らなかったものだから、映画界で「唐突に」赤木さんが目立ち始め、びっくらこきましたね~。

<経歴>

33年に満州より帰国、40年に松竹ニューフェイスとして入社する。

映画俳優デビュー作は、40年の『二本松少年隊』。

45年―。
助監督だった兄による慰問劇団に参加、満州各地を巡業する。
兄が召集されたために一時期は座長を務めるも、46年に帰国。

以降、しばらくは映画の端役を演じつづける。


『王将』(48)
『紺屋高尾』(52)
『悪魔が来りて笛を吹く』(54)
『妖異忠臣蔵』(54)
『お坊主天狗』(54)
『竜虎八天狗』(54)
『初恋ワルツ』(55)
『血槍富士』(55)
『天兵童子 第一編・第二編・完結編』(55)
『椿説弓張月』(55)
『ほまれの美丈夫』(56)
『白扇 みだれ黒髪』(56)
『怪談千鳥ヶ淵』(56)
『復讐侠艶録』(56)
『海の百万石』(56)
『妖蛇の魔殿』(56)
『神変美女桜』(56)
『任侠清水港』(57)
『鳳城の花嫁』(57)
『阿波おどり 鳴門の海賊』(57)
『赤穂義士』(57)
『神変麝香猫』(58)
『江戸の名物男 一心太助』(58)
『大江戸七人衆』(58)
『清水港の名物男 遠州森の石松』(58)
『捨てうり勘兵衛』(58)
『喧嘩笠』(58)
『福沢諭吉の少年時代』(58)
『お役者文七捕物暦 蜘蛛の巣屋敷』(59)
『怪傑黒頭巾 爆発篇』(59)
『血斗水滸伝 怒涛の対決』(59)
『里見八犬伝』(59)
『浪花の恋の物語』(59)
『雪之丞変化』(59)
『壮烈新選組 幕末の動乱』(60)
『森の石松鬼より恐い』(60)
『花かご道中』(61)
『お奉行さまと娘たち』(61)
『柳生武芸帳 夜ざくら秘剣』(61)
『赤穂浪士』(61)
『怪人まだら頭巾』(61)
『女家族』(61)
『宮本武蔵』(61)
『はやぶさ大名』(61)
『怪談お岩の亡霊』(61)
『港祭りに来た男』(61)
『権九郎旅日記』(61)
『瞼の母』(62)
『ある大阪の女』(62)
『宮本武蔵 般若坂の決斗』(62)
『王将』(62)
『江戸っ子長屋』(62)
『武士道残酷物語』(63)
『てなもんや三度笠』(63)
『用心棒市場』(63)
『五番町夕霧楼』(63)
『鮫』(64)
『肉体の盛装』(64)
『昭和残侠伝 唐獅子牡丹』(66)
『何処へ』(66)

『喜劇 駅前番頭』(66)、『喜劇 駅前百年』(67)、『喜劇 駅前開運』(68)

『浪曲子守唄』(66)
『乱れ雲』(67)
『昭和残侠伝 死んで貰います』(70)
『(秘)女子大寮』(70)
『夜の手配師 すけ千人斬り』(71)
『藍より青く』(73)
『野良犬』(73)


時代だなぁ・・・と思うのは、梅宮辰夫の兄ぃによるオレサマ映画『夜の手配師 すけ千人斬り』などにも顔を出していること。

この手の映画の出現が、現代よりも違和感を抱かせなかったのでしょうね。

少し羨ましいです、映画は優等生になっちゃいけない―そう思っていますので。


79年、『金八』の放送スタート。
校長先生が実質的な主人公になったエピソードがひとつだけあって・・・

学芸会で生徒たちが特攻服を着たことに腹を立て、泣きながら彼らに反省を促す物語。(第2シーズン8話)

これは、赤木さんの体験によるところが大きかったのでしょうね。

83年、著書『おばあちゃんの家事秘伝』がヒットを記録する。




映画は『二百三高地』(80)以降、ほとんど顔を出すことがなくなりました。

そこからの映画初主演ですから、驚いたひとも多いと思います。


明後日で93歳、車椅子の生活を送っていますが、本人は完全復帰を望んでいるようで、・・・なんというのでしょう、若いこっちが元気をもらっちゃいますねぇ!

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明日のコラムは・・・

『にっぽん女優列伝(4)秋吉久美子』
コメント (3)
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