Cape Fear、in JAPAN

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にっぽん男優列伝(277)橋爪功

2015-05-15 05:40:13 | コラム
41年9月17日生まれ、73歳。
大阪出身。

公式プロフィール

橋爪功(はしづめ・いさお)さんと、池上彰さんを混同している友人が居ます。

・・・まぁ、分からなくはないですけれどね。
年齢は池上さんのほうが10歳も若いですけど、キャラクター性に関しては「似ている」気がしますし。

本気で怒っても、なんとなくユーモアが漂ってしまうというか。
ひとのよさが出てしまい、そんなに怖くないような気がします。

60年代より俳優業をスタートさせていますが、端役以外のキャラクターをもらえるようになったのは80年代に入ってから。
チューネンになって(本人にも理由が分からないまま)売れ始める俳優さんって居ますが、橋爪さんもそんなひとりだったというわけです。

こういうひとは「パッと出」より強いですよね。
本人も「大道具の仕事が続き、そっちばっかり詳しくなっちゃった。その恨みつらみで、ここまでやってきている」みたいな発言をしていますし。


そんな橋爪さんの映画キャリアからひとつ選ぶとするならば、これでしょうか。




<経歴>

演劇集団「円」代表。

「文学座」附属演劇研究所の1期生。
同期に岸田森や寺田農、樹木希林、北村総一朗など。

2年後に文学座を脱退し劇団「雲」に移籍。

75年、仲谷昇や岸田今日子らと「円」を創立・・・という具合に、若手のころの活動場所はほとんど舞台でした。

映画俳優デビュー作は、62年の『放浪記』。
林ふみ子を高峰秀子が演じた成瀬巳喜男の名作で、自分も好きな作品のひとつなのですが・・・ごめんなさい橋爪さん、あなたがどこに出ているのか何度観ても分からないのです汗汗

『太陽は泣かない』(76)、『夏の秘密』(82)、『誘拐報道』(82)。

83年の大作『小説吉田学校』(83)では福田赳夫を好演、
このあたりから風向きが「ゆーーーっくりと」変わり始め、話題作や良作に連続出演していくことになります。

渡辺典子が可愛かった『いつか誰かが殺される』(84)、
伊丹十三の最高傑作だと思う『タンポポ』(85)、『恋文』(85)、
『マルサの女』(87)、『黒いドレスの女』(87)、
ジェームス三木が演出に挑戦した『善人の条件』(89)、『ジュリエット・ゲーム』(89)、
そして89年、吉本ばななのベストセラーを映画化した『キッチン』で田辺絵理子を軽やかに演じる。

映画の活躍と平行してテレビドラマでも引く手あまたの存在に―たぶんこのころに、橋爪さんの名前を覚えたひとが多いと思います。

『あげまん』(90)、『ボクが病気になった理由』(90)、『女がいちばん似合う職業』(90)、『おいしい結婚』(91)、『子連れ狼 その小さき手に』(93)、『居酒屋ゆうれい』(94)。

よく練られたコメディの佳作『お日柄もよくご愁傷さま』(95)、
『お墓がない!』(98)、『大安に仏滅!?』(98)、
勝海舟を演じた『竜馬の妻とその夫と愛人』(2002)、『ミスター・ルーキー』(2002)、『ローレライ』(2005)、『涙そうそう』(2006)。

『余命』(2009)、『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』(2010)、『SPACE BATTLESHIP ヤマト』(2010)、『奇跡』(2011)、『東京家族』(2013)、『永遠の0』(2013)、『小さいおうち』(2014)。

そして最新作は、山田洋次による『家族はつらいよ』で来年公開予定。
すっかり山田組の一員ですが、堂々の主演は初めてなんですよねぇ。

タイトルはビミョー、でも最近の山田洋次とは個人的に相性がいいので笑、けっこう期待している作品です。


おまけのように書いておきますが・・・
数あるテレビドラマの出演作のなかでは、個人的に『3年B組金八先生3』(TBS、88)の教頭役が印象に残っています。

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本館『「はったり」で、いこうぜ!!』

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明日のコラムは・・・

『にっぽん男優列伝(278)長谷川一夫』

コメント (2)
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