まず一冊目は、塩田武士さんの「罪の声」。
題材は、1984年の江崎グリコ社長誘拐事件を発端とした、
いわゆる、グリコ森永事件です。
私が30代半ばの、リアルタイムで報道の一部始終を見聞きしたはずの事件です。
この小説はそのスタイルからか、非常にリアリティーがあって、
ああ、そうだったのかと頷いてしまいそうな程です。
ですが、あくまでも小説ですので、虚構の混ぜ方が上手いのでしょうね。
私がリアルタイムに見聞きした事件なのに、
人間というのは自分や自分の身近で関係ない報道というのを、
いかに適当に聞き流していたのかということを、痛烈に再認識させてくれた本でもあります。
あの事件がいかに卑劣で、残忍なものだったかを初めて知ったような次第です。
人が口にするもの、口にせざるを得ないものを盾にとって犯罪を犯すことは、
その発想自体を決して許せないものです。
グリコ森永事件の詳細を知りたい方はもとより、
それだけでなく「罪の声」は一気に読ませてくれる小説です。
もちろん阿蘇市図書館にあります。
1月3日までは休館ですが。
なお、この作者の本は他に、将棋界を題材とした「盤上のアルファ」や刑事物の「崩壊」があります。
二冊目は、恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷」。
ピアノコンテストをめぐるピアニストたちの姿を描いた小説です。
青春ものという括りにも入るかな?
結構分厚い本です。
でも一気読みします。私も1日で読んでしまいました。
ピアノコンクールという一種の勝負の世界の話ですから、
結構登場人物に思い入れてしまったり、結果に一喜一憂したり、
そこは恩田陸さん、読者の気を逸らせません。
それにしても、音楽特にクラシック音楽を文字で表現するという至難の業を、
こうも豊かに成し遂げられるとは驚くべき才能なのでしょうね。
同じようなジャンルで演劇を主題にした「チョコレートコスモス」も一読の価値ありです。
青春ものとしては、「夜のピクニック」も一晩で読んでしまいました。
高校生のナイトウォークをテーマにしたものですが、
高校生一人一人の姿が浮かび上がるような描写や、互いのやりとりを描く筆には、
作家というものの凄さを改めて思い知らされるのです。
そのほかに、ウイルスハンター・神原恵弥が主役のシリーズ、
「MAZE」、「クレオパトラの夢」「ブラックベルベット」などは、
上記の作品とは全く異なるジャンルのもので、
この人の裾野はどのくらいあるのだろうかと驚いてしまいます。
つい最近まで、「蜜蜂と遠雷」を読むまで、その名前は知っていたものの、
全く作品を読んでいない作家さんでした。
いやあ~、とんでもない人たちが小説界にいるものです。
何度も言いますが、ここに出た本は阿蘇市図書館に全部あります。
中には閉架図書になっているものもありますので、お尋ね下さい。
題材は、1984年の江崎グリコ社長誘拐事件を発端とした、
いわゆる、グリコ森永事件です。
私が30代半ばの、リアルタイムで報道の一部始終を見聞きしたはずの事件です。
この小説はそのスタイルからか、非常にリアリティーがあって、
ああ、そうだったのかと頷いてしまいそうな程です。
ですが、あくまでも小説ですので、虚構の混ぜ方が上手いのでしょうね。
私がリアルタイムに見聞きした事件なのに、
人間というのは自分や自分の身近で関係ない報道というのを、
いかに適当に聞き流していたのかということを、痛烈に再認識させてくれた本でもあります。
あの事件がいかに卑劣で、残忍なものだったかを初めて知ったような次第です。
人が口にするもの、口にせざるを得ないものを盾にとって犯罪を犯すことは、
その発想自体を決して許せないものです。
グリコ森永事件の詳細を知りたい方はもとより、
それだけでなく「罪の声」は一気に読ませてくれる小説です。
もちろん阿蘇市図書館にあります。
1月3日までは休館ですが。
なお、この作者の本は他に、将棋界を題材とした「盤上のアルファ」や刑事物の「崩壊」があります。
二冊目は、恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷」。
ピアノコンテストをめぐるピアニストたちの姿を描いた小説です。
青春ものという括りにも入るかな?
結構分厚い本です。
でも一気読みします。私も1日で読んでしまいました。
ピアノコンクールという一種の勝負の世界の話ですから、
結構登場人物に思い入れてしまったり、結果に一喜一憂したり、
そこは恩田陸さん、読者の気を逸らせません。
それにしても、音楽特にクラシック音楽を文字で表現するという至難の業を、
こうも豊かに成し遂げられるとは驚くべき才能なのでしょうね。
同じようなジャンルで演劇を主題にした「チョコレートコスモス」も一読の価値ありです。
青春ものとしては、「夜のピクニック」も一晩で読んでしまいました。
高校生のナイトウォークをテーマにしたものですが、
高校生一人一人の姿が浮かび上がるような描写や、互いのやりとりを描く筆には、
作家というものの凄さを改めて思い知らされるのです。
そのほかに、ウイルスハンター・神原恵弥が主役のシリーズ、
「MAZE」、「クレオパトラの夢」「ブラックベルベット」などは、
上記の作品とは全く異なるジャンルのもので、
この人の裾野はどのくらいあるのだろうかと驚いてしまいます。
つい最近まで、「蜜蜂と遠雷」を読むまで、その名前は知っていたものの、
全く作品を読んでいない作家さんでした。
いやあ~、とんでもない人たちが小説界にいるものです。
何度も言いますが、ここに出た本は阿蘇市図書館に全部あります。
中には閉架図書になっているものもありますので、お尋ね下さい。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます