ひねもすのたりにて

阿蘇に過ごす日々は良きかな。
旅の空の下にて過ごす日々もまた良きかな。

味噌汁の具

2009年03月31日 | 酒と料理と
皆さんは、味噌汁の具では何が一番お気に入りでしょう。
私はなんといっても、筍とわらびのコンビネーション。
ということは今が旬であります。

筍は、春の暖かい雨で、どんどん出てくる。
わらびは、野焼きの終わった阿蘇の草原ににょきにょきと出る。
しかし本当に美味しいわらびは、日差しのいい草原でなく、
日陰でゆっくり伸びたものの方が太くて柔らかい。

わらびの料理はバリエーションが少なく、これといって美味くはない。
しかし、筍と一緒に味噌汁の具になったとき、わらびは真価を発揮する。
これが普遍的な評価かどうかは疑問のあるところだが、
少なくとも私にとってはそうなのであります。

豆腐やワカメ、あげ(南関あげもいい)、各種のキノコ等々、
味噌汁の具は数々あれど、今の時期2~3週間だけが旬の筍とわらび。
これほど贅沢な味噌汁の具があるだろうか。

この味噌汁なら毎日3食でもいい。
筍に酢味噌を和えて、出始めの山椒の葉を散らした皿と、
新じゃがと筍を、薄く味噌で味付けした煮物の入った器と、味噌汁の入った椀。
ついでに、銀杏切りした筍にマヨネーズをのせ、その上に七味を振りかけてオーブンで焼いたものも食べよう。

季節は春。
早めの開花をした桜も、昨日今日と花冷えでまだまだ見頃。
この料理ならもちろん酒は日本酒。
三重錦の純米吟醸中取りうすにごり、メロンの香りかな。
盃にはらはらと落ちる花びらを受けて、極楽極楽。

桜ウォーキング

2009年03月30日 | 日記(?)
昨日、津奈木町の桜ウォーキングに参加した。
新八代駅から旧鹿児島本線から民間になった、肥薩オレンジ鉄道にはじめて乗った。
約1時間の旅で、のんびりとした鉄道での移動もまた乙なものである。

この日は、日本最南端の日本酒蔵である「亀萬」酒造の新酒祭りもあっていて
こちらの方にもかなり惹かれるところはあったのだが、
健康優先ということで、約6㎞のコースを、
至るところ満開の桜を見ながら歩く方に参加した。

歩いた後は、表彰式までに時間があったので、豚汁を頂いた後、
特別参加賞の券で、すぐそばの温泉館「四季彩」でゆっくり入浴し、1時半からの表彰式や抽選会に加わった。
阿蘇くんだりから来たからしら、表彰式で特別賞をもらった。
お菓子の箱とサラダタマネギ一袋。

次の抽選会でも甘夏とオレンジ鉄道の乗車券1,000円分が当たり、
おまけに参加賞の甘夏ももらって、本当に幸せな気分で津奈木町を後にした。
この日の桜は満開で本当にきれいだった。
特に川が海に流れ込む付近の、堤防沿いの桜は見事で、息をのむほどの桜並木だった。

津奈木駅で列車を待っていると、新酒祭り帰りの客も来て、
60歳くらいの女性は、両側から腕を抱えられてベンチに座るというほどの酩酊ぶり。
列車のなかでも、大声で喋ったり、頭がくらくら揺れて寝ている者など、
酔態はいろいろだが、車内はほのかな酔っぱらいの臭い。
自分の酔態を見るようでいささか恥ずかしい光景ではありました。

来年の津奈木町のイベントは、やはりウォーキング参加にします。
だって、新酒祭りは高森町のがありますから。

桜の名所

2009年03月27日 | 酒と料理と
阿蘇の桜の名所といえば、何をさておいても南阿蘇の白水にある一心行の桜。
これは400年ほど経つ山桜だそうで、ソメイヨシノだとここまでの寿命はないらしい。
花はソメイヨシノが栄えるが、これは雑種で、50年ほど経過すると樹勢は弱って、
100年も立っていることはほとんどないらしい。

他には、高森町の九十九曲がりの桜並木。
約6,000本ほどのソメイヨシノや八重桜があり、
ある程度の高さにくると、桜並木の向こうに阿蘇山が望めて、
それを含めた風景が何とも言えない風情を醸している。

九十九曲がりの道路は旧道で、昔の旧蘇陽町や高森町の山間部の集落に行くときは、この道を利用していた。
私の最初の赴任地に行くのもこの道だった。
当時は積雪が多く、随分苦労して車を走らせたことを思い出す。

桜は、並木道として立っていることが多く、
なかなか花見をするに適当な場所がない。
最近では、阿蘇市内牧の農村改善センターや市立図書館がある敷地に、
グランドゴルフをする芝生があり、そこの桜が随分大きくなって、
ここだとゆっくりと桜を見ながら「花より団子」に浸ることができる。

桜の季節は、筍の季節でもある。
先日竹山に行ったが、まだまだ小さく、土を踏みながら探す程度しか成長していない
目視できるようになると探すのも簡単なのだが、小さい筍はそれなりにまた美味い。
皮のまま焼いて皮をむいてそのまま食べられる。
あく抜きの必要がない。

筍や春椎茸、蕨等の煮付けなどがあった日には、何もいらない。
酒はもちろん新酒の吟醸。
香り高い陸奥八仙の「中汲み純米吟醸無濾過生原酒」
華やかなフルーツの香りがしながら、度数17.6度と高め。

やっぱり自分は「花より団子」としみじみ自覚しながら舌鼓を打つのです。

阿蘇高菜

2009年03月26日 | 酒と料理と
阿蘇は高冷地で、厳寒の時は、-10℃にも達することがある。
12月から2月にかけては、最低気温はたいてい零度以下である。
阿蘇高菜は、10月に種をまき、その厳寒の時を経て、
3月の下旬に収穫される。

例年は、3月25日くらいから1週間程度が収穫時期で、
畑の青々とした高菜畑で、高菜折りをしている人を見かける。
高菜の収穫は、高菜折りというように、すべて手作業で1本々々折って収穫する。
固くなっている茎の部分は簡単には折れず、ポキッと簡単に折れる部分から折って収穫する。
これを鎌で切っていたら、固い部分が混じってしまうから手折りするのだ。
そのため、収穫にはかなりの時間を要する。

今年は3月になって随分暖かく、高菜の収穫時期が1週間から10日ほど早くなった。
既に、こちらで青高菜という新高菜漬けはもう時期を過ぎつつある。
我が家では、古高菜と言われる保存用の高菜漬けも既に仕込みが終わった。
これからは、梅雨が過ぎるまで、毎日樽の上部に浮いた漬け液を除去しなければならない。
その手間を省くと異臭がついて捨てなければならなくなる。
結構手がいるものなのだ。

阿蘇高菜は、厳寒を超えることによって、むやみに大きくならない。
また、その主食部分の茎が非常に柔らかく育つ。
さらに、高菜自体がぴりっと辛みがある。
といった特色を持っていて、私は特に新漬けは、ブランド化に十分耐えうるだけの美味い漬け物と思っている。

高菜は漬け物にする以外に、
豚肉を千切りしたものと、揚げ豆腐を刻んで一緒に炒め、
醤油と砂糖で甘辛く味付けをした「菜焼き」だったり、
木綿豆腐の水切りしたものを潰し、砂糖と塩(時には味噌)を混ぜ、
軽くゆがいた青々とした高菜に和えた高菜の白和え等がある。

新漬けの間は、阿蘇地方では、醤油だけでなく、酢を少し垂らして食べる。
年寄りが言うには、腹をこわさないようにということらしいが、
私など、調味料としての酢をかけないと高菜が美味くないというくらい定着している。
なかにはマヨネーズと醤油を掛けて食べる人もいる。
「えーっ」と思われるかもしれないが、それほど捨てたものでもない。

古くなった高菜漬けは、そのまま食べても十分美味いが、
刻んで油で炒めて醤油と少しの砂糖を混ぜて食べても美味い。
「高菜めし」という料理があるが、
これには、古高菜をそのままか、油で炒めたのをご飯に混ぜるか、好みである。

いずれにしろ、酒とはあまり縁はない。

飛行機の揺れ

2009年03月24日 | 旅の空の下
昨年の世界一周旅行では、3ヶ月で20回ほど飛行機に乗った。
それだけ乗れば、結構揺れることもあったが、恐怖を覚えるほどのことはなかった。
しかし、先日のソウルから熊本に帰る便でのこと、
残すところあと20分ほどというところで、強烈な揺れが来た。

若干の上下の揺れならまだしも、左右の揺れが加わり、
乗客からは、「あーっ」とか「きゃあ」という声が出るほどだった。
今まで相当数飛行機に乗ってきたが、これほどの揺れは初めてだった。
揺れは実際には2分程度のものだったろうが、随分長く感じた。

最近エアポケットで急降下したニュースや、
昨日など、貨物機が成田で着陸失敗し、炎上した事故などがあり、
同日アメリカでは、小型機が墜落するなど、飛行機事故のニュースが絶えない。
さすがに、飛行機の旅をためらってしまう。

日本では桜の季節真っ盛り。
ここしばらくは、車で国内を放浪することにしようかと思っている。
寝袋を積んで、温泉を回りながら、土地々々の居酒屋で一杯やり、
適当なところに車を止めて寝れば、金もかからない。

考えてみれば、国内で行ったことがないところもたくさんある。
なんといっても日本語が通じる。
これは結構大事なことで、旅のストレスの大半は軽減されるのだ。
そうこうすればそのうちまた海外に行きたくなるだろう。

今回の飛行機の揺れにすっかりびびってしまって
こんなことを考える毎日です。