ひねもすのたりにて

阿蘇に過ごす日々は良きかな。
旅の空の下にて過ごす日々もまた良きかな。

さゆる

2010年03月18日 | 酒と料理と
17日夜、熊本県産酒の統一ブランド、純米酒「さゆる」の試飲会があった。
統一ブランドというのは、名前は同じだが、酒蔵が一つのコンセプトに沿って造る酒なので、
味は酒蔵ごとに異なるというものだ。

鹿児島の「島美人」という焼酎もコンセプトは異なるが、同じ統一ブランドの焼酎である。
山形の出羽燦々米を使った日本酒も、統一ブランドである。
「さゆる」は県下10社の酒蔵が参加して発売するもので、
3月18日が発売日になっている。
それを記念して、一般からの参加者を募り、ホテルキャッスルで大試飲会があったというわけだ。

「さゆる」のコンセプトは、県産米と水を使い、
いわゆる熊本酵母といわれる有名な9号酵母を使用するというもの。
吟醸作りはしていないらしく、華やかな香りはしない。
控えめな香りのものが多く、使用した米や杜氏の違いか、
香りも味も10種類のものになっている。

どの酒蔵の「さゆる」がいいかはそれぞれの好み次第。
神力や山田錦のような酒米好適種から、レイホウやヒノヒカリを使ったものまで、
米によって香りも味も変わるし、
日本酒度を上げたり、酸度を上げることによっても味は変わる。
どの「さゆる」がいいかは、まったく好きずきの問題である。

阿蘇からは、れいざん、蓬莱、和田の志ら露の3銘柄の酒蔵が出品。
それぞれ味は異なるが、かなりのレベルで、いずれも大変美味しく頂いた。
料理は、熊本地産のものを使った料理や辛子レンコンなどの郷土料理。
これもうまかった。

会費は3,000円だったが、我々は十分以上に飲んだ。
おまけに飲み残しで残った酒を2本頂いて帰った。

ちなみに「さゆる」は720mlで、1200円也。
コストパフォーマンスはかなり高い。
是非ご購入の上飲んで下さい。
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蓬莱の生酒

2010年03月14日 | 酒と料理と
阿蘇郡小国町に、河津酒造という造り酒屋がある。
ここの酒の名前が、「蓬莱」。
昔は、蓬莱は甘いので、とても飲めないなと思っていた。

最近、河津酒造では、新酒祭りをしたりとか、
いわゆる酒造りのコンセプトを以前とはかなり異なったものにしているようだ。
宴会で燗酒を徳利猪口で飲む、いわゆる宴会酒一辺倒から、
冷やで飲んでも美味いという、こだわりの酒も造るようになってきている。

先日、友人がその蓬莱の限定酒で、生酒を持ってきてくれた。
昔の印象があったので、その味にはあまり期待していなかったのだが、
これが美味い。生酒特有の新鮮さとこく。
香りは強くないが、バランスよく、しっかりしている。
何杯でもいける。

さて肴はこれに何を合わせるか。
冷凍庫を探すと、サンマが横たわっている。
サンマといえば塩焼き。だが、焼いた後の臭いがちときつい。
そこで甘露煮にすることにした。

水に、濃い口醤油、ショウガ、酒、砂糖、みりんで煮汁を作る。
梅干しを2個入れて、落とし蓋をしてサンマを煮詰めていく。
煮詰めると、醤油の関係でどうしても塩辛さが引き立ってくる。
甘露煮だから、具合を見ながら砂糖を加えていく。
煮汁がほとんどなくなったらできあがり。

実は、この甘露煮というのは、熱いうちでなく、冷えてからが美味い。
冷える間に身が煮汁の味を取り込んでしまい、
その身を箸で取り分けると、少し固くて、ポロッとした感じで取れる。

この時期しか飲めないぴちぴちした感じの生酒にサンマの甘露煮。
至福の時。
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Korailー韓国鉄道公社ー

2010年03月12日 | 日記(?)
ついでに韓国ネタをもう一つ。
先日テレビで偶然目にしたのが、「ヘラン」という豪華列車で、
日本のカシオペア号やヨーロッパのオリエントエクスプレスと異なるのは、
移動が目的というより、特急ホテルに宿泊しながら韓国旅行をするというコンセプトにある。

2泊3日と1泊2日の行程があり、
2泊3日は、スイートルーム(2人1室) 232万ウォン(約20万円/2人)。
あと、デラックスとファミリールームがある。
この料金には、客室及び旅行の全経費が含まれており、
どんなにたくさん食べても飲んでも追加料金はないというのは、
飲んべえには抗いがたい魅力である。

3日で10万円/1人というのは、韓国旅行としては確かに高いが、
ホテルを取る必要もないし、なにより、オリエント急行的なセレブ感を味わえるには安い。
発着はソウルなので、ソウルで往復2泊すればいい。
1度は試してみたいと思っている。

もう一つ、外国人向けのKRパスというのをご存じだろうか。
これには、3日券~10日券まであり、10日券で、166,000ウォン(約1.5万円)
高速鉄道のKTXや、セマウル号にも乗れて、
追加料金なしで座席指定(KTXは、半額の指定料金)ができるというメリットがある。
5日券だと約1万円で、7日券では、1.3万円弱。
結構張り巡らされた韓国の鉄道も、7日あればほぼ制覇できるだろう。

このようなレールパスは日本にもあって、これだと新幹線にも乗れる。
しかし日本人は購入できない。外国人専用である。

先日、夢の湯という阿蘇駅近くの温泉の前で、
思案気な外人青年を見たので声をかけたら、
イギリスから2週間の休暇を利用して旅行に来たということだった。
露天風呂でしばらく話していたら、彼がそのレールパスを利用して旅行していた。

彼によると、金額は4.5万円程度で、2週間有効。
のぞみ以外の新幹線にも乗れるそうで、これで4.5万円ならめちゃくちゃ安い。
5万円でいいから日本人にも販売して欲しい、というのは無理か。
青春18切符は、この年になってからはちと哀しい。

KRパスと「ヘラン」号。
これでまた韓国に行く楽しみが増えた。
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慶州の桜

2010年03月11日 | 日記(?)
先日、最初に韓国を訪れたときのことを書いたら、
急に行きたくなってしまった。
特に、思い出多い慶州は、3月末の時期は桜の季節で、
26日で実質的に勤務を終える身には抗いがたい誘惑である。

しかし何故かこの時期、釜山までの飛行機や高速船のチケットが取れない。
ほとんど満席状態で、春休みだからだろうか。
今のところ、27日出発で30日帰りの、
それも行きは夜発、帰りは朝発の実質2日間のチケットしか空きがないのだ。

多分にツアー客用の旅行社が押さえている可能性がある。
というのも、釜山の鎮海の桜は圧倒的らしく、
桜祭りが、今年は27日からということで、日本からのツアーも結構組まれているようだ。

29日出発のカメリアラインの船で行くツアーもあって、
これは、25,000円という魅力的な値段の割には、ほぼ全食事付き、
桜三昧の日程で、かなりお得である。
しかし、1人で行くと追加料金が15,000円と高額。

ま、航空券だけの手配で一人で行ってもそう変わりない金額だが、自由なだけおもしろい。
宿は、なんと釜山には東横インが3軒もあるので全く困らないし、
日程が実質2日というのは、ツアーと変わらない。

さて、行こうかよすか、こうやって思案している間にチケットが無くなるのだろうな。
と思いつつ、日々を過ごしている。
後悔はしたくないが、桜は来年も咲くだろうと思ったり、
優柔不断さここに極まれり、である。
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カンパラへの遙かな道

2010年03月09日 | 旅の空の下
1971年1月、アフリカのウガンダでクーデターをおこし、
オボテ大統領を追放したアミンは、その後、国民を30万人以上虐殺したと言われ、
軍事独裁を敷き、黒いヒトラーなどと称された。
クーデター当初は国内外で歓迎されたらしいが、
その後の反対派の粛清などの言動が、海外からの支援を遠ざけたらしい。

当時、私は隣国のケニヤにいて、ウガンダに行く準備をしていた。
そのクーデターから約10日ほど後、ケニヤ・ウガンダの国境に行ったが入国できず、
クーデターから約一月後に再度入国を試みた。

国境をウガンダ側に入ったのが、既に夕方の4時過ぎで、
その頃、全国に敷かれた戒厳令の外出禁止時刻が午後6時。
早く宿を決めて入らないととんでもないことになる。
私は焦って、国境の村の、最初に目についた木賃宿に入ったのが5時過ぎだった。

一段落して、宿の窓から通りを眺めていると、
軍隊がジープに小銃を乗せてパトロールしている。
間に合ってよかった。物々しい通りを見ながら心からそう思った。

翌朝、カンパラに向かって出立したが、バスはあまり動いていず、
乗り合いの乗用車やワゴン車で、短い距離を乗り継いで行く。
その道すがら、至る所に兵士がいて、検問をしている。

若い兵士が多く、銃を向けて車を止めると、乗客を全て降ろし、
外国人の私はそのたびにパスポートを提示した。
何かをきっかけに、この兵士たちが我々に引き金を引いたらどうしよう。
銃を持つ兵士を目の前にして、なかなかその恐怖からは逃げられなかった。

その繰り返しの中で、やっとの事でカンパラに着いたが、
ウガンダの首都で何を見たか、そういった印象も含めてほとんど記憶にない。
数え切れない検問の路程に強いられた緊張の反動だったのだろうか。

その後、クーデターには英国が影で糸を引いていたという話もあり、
植民地として支配されたアフリカの悲劇が、この国にも及んでいたのかという念を抱いたものだ。
人が人を支配するという愚行から、人間は未だに抜け出せずにいる。
人間は決して賢者という境地に達することができない生き物なのだろう。

最後にもう一つ、岡村孝子と加藤晴子のデュオ、「あみん」の名は、
さだまさしを経て、アミンの名が巡り巡って命名されたものだということは最近知った。
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