ひねもすのたりにて

阿蘇に過ごす日々は良きかな。
旅の空の下にて過ごす日々もまた良きかな。

九寨溝・黄龍・三峡クルーズ -3-

2010年06月30日 | 中国の旅2010
九寨溝から空港方面に80㎞行ったところに、千住寺という町があり、
そこから別な道に入り、40㎞行ったところに黄龍はある。
この40㎞は最高4,000mに達する山道の上、工事中で極端な悪路。
2時間ほどかけて黄龍観光基地に着く。

登りはロープウェイで、楽勝かと思われたが、
そこからまた2㎞以上歩くことになる。
クスコの時はなかった高山特有の軽い酸欠状態になり、
持参した酸素缶を吸いながらの登山となった。



黄龍の最も美しい場所、五彩池。  上:酸素缶で楽になる 下:五彩池の全貌



最大の見所の五彩池は最も上の方にあり、
昨日から痛む膝の古傷を抱えて用心しいしい歩く。
石灰岩が水の作用で段々の棚を作る幻想的な風景は、
トルコのパムッカレにも似ている。

五彩池からひたすら下りになる。
所々に同じような棚を見ながら下るのだが、
膝にこたえるのは登りより下りである。
体重が載って負担をかけないよう、横向きに慎重に下っていく。
4㎞弱の下り道を降りて出口に到着したとき、
同じツアーで、やはり膝板を抱えていた、K氏達と健闘をたたえ合ったものだ。


完歩を皆で喜び合う

黄龍のレストランで、まずい昼食を食べてから九寨溝空港へ向かう。
先の悪路を2時間かけて戻り、空港から重慶に飛ぶ。
重慶に着いたのは既に8時前で、そこから夕食場所の火鍋屋に行く。


重慶の火鍋屋で。8名ツアーなので常に一つのテーブルでよく、皆仲良くなった。

重慶名物の火鍋料理を食べ、重慶からクルーズ船のビクトリア・ジェンナ号に乗り込むはずが、
長江(揚子江)の水かさが足りなくて、船が重慶までこられないということになり、
更に1時間以上かけて下流の、フリョウという町から乗船することになった。
乗船時刻は、午後11時前になっていた。
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日本代表はいかに -4-

2010年06月30日 | 日記(?)
ついに散った。
PK戦は、いわばおまけで、運次第の部分が大きい。
日本とパラグアイは互角に戦ったということだろう。
選手たちの健闘を心から讃えたい。

次回のW杯は、今回中心となった若手が一番充実する時を迎える。
彼らとそれに続く世代がどれだけスキルアップができるか、
世界における日本サッカーの立ち位置をはっきりと認識した上で、
今回のW杯を糧にして、世界における日本の戦い方を、
次の4年間にいかに磨くことができる指揮官を選ぶことができるか、
日本サッカーの命運はそこにかかっている。

今回の日本代表では、大久保と阿部に拍手を送りたい。
他の選手はもちろん大いに活躍したが、それなりの評価を得た上での活躍だった。
しかしこの2人は、戦前の評価はあまり高くなかったが、
大久保は攻守にわたり献身的な働きをし、目立ちはしなかったがリーグ突破の立役者となった。
オシムの言う、水を運ぶ役の選手として存分な活躍だった。
オランダのカイトを思わせる働きで、こういう選手がいるチームは強いということを改めて知らしめたように思う。

阿部は、本番前までは出番がないと思われたが、
守備的布陣に戦術転換した指揮官の心変わりによって起用され、
ボランチやセンターバックの経験を遺憾なく発揮し、
全ての試合で危機を一歩手前で阻止する場面が多々あった。
彼も目立たない位置にいたが、守備の重要性を認識させる働きだった。

他の試合では、やはりブラジルは圧倒的に強い。
何処に穴を見つけたらいいのか、戸惑うほどにバランスがいい。
もしあるとしたら、アルゼンチンのメッシの個人技か。

イングランドは審判の誤審に泣いた。
せめてゴールかそうでないかは、写真判定を導入したがいい。
選手たちはそのために4年間という長い月日をひたすら努力してきたのだ。
オフサイドやファールに誤審はあっても仕方ないが、ゴールかどうかは別問題だ。
それでも、やはりドイツが勝っただろう。
ルーニーの不調はあったにしても、カウンターに入ったときのドイツの迫力は、
もしブラジルを止めるヨーロッパのチームがあるとするなら、ドイツだろうと思わせた。

オランダはロッペンの復調で本来のチームに戻ったが、
優勝となると?が。いまいちインパクにかけるように思える。
スペインの華やかさは素晴らしいが、より現実的なチームには脆そうな印象を受ける。

今回面白いのはなんといってもアルゼンチン。
メッシを中心とした攻撃は多彩で、スペインに勝るとも劣らない。
戦術よりも、インタビューの方が面白いマラドーナの、
それでも選手掌握術の巧みさが、チームを一体化して快進撃を生んでいるように見える。

ベスト8が出揃い、これからがもっとも面白い試合が続く。
その中に日本代表がいないのは寂しいが、今の実力ではここまでか。
ただ、次の大会に大いなる遺産を残したことは間違いない。
この遺産を受け継ぎ、次のステップに進めるかどうか、
協会幹部の姿勢が問われるW杯だった。
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九寨溝・黄龍・三峡クルーズ -2-

2010年06月29日 | 中国の旅2010
2日目は重慶観光から九寨溝に移り、
宿はこれも五つ星の、九寨溝シェラトンホテルだった。
日本人ツアー客が多く、ビュッフェ形式の夕食では、多くの日本語が飛び交っていた。
それにしても、九寨溝にはなんとホテルが多くあることか。
ガイドによるとそれでもホテルの数が足りないとか。

3日目は朝から専用車で九寨溝観光で、これがツアーの最大の利点である。
まずは入り口でチケットを渡されてから記念撮影。
このチケット、年齢によって若干異なるが、200元前後。
日本円では、3,000円程度。中国の物価に比べると呆れるくらいの高額。

九寨溝にはいくつか見所があって、
車で行かないととても見て回ることはできない。
トレッキングで、歩いて回ることもできるよう道は整備されているが、
1日で見て回るのは無理だろうということだった。


鏡海。澄んだ水はまるで鏡のように山々を写し込む。

鏡海、箭竹海、パンダ海、長海、五彩池、等々の非常に澄んだ水は、
場所によってエメラルドグリーンに変化し、
周りの山をまるで鏡のごとく表面に写す。
水に沈んだ木々の枝先まで見ることができるほどに水は澄んでいる。


沈む木々の枝まで見える透明度

この風景を保持するために、
昔からこの域内に住んで農業や畜産を営んでいたチベット族の人々は、
別の土地に強制的に移住を余儀なくされたそうで、
それでもいろんな職業に就くことができて、
昔よりいい生活ができているから幸せじゃないかと、漢族のガイドは説明した。


結婚写真を撮る新婚さん。余程の富裕層だろう。

人の生活がものの豊かさではかるべきものではないと言っても、
多分彼には分からないだろうし、
今ではチベット族の人にも判断できなくなってしまっただろう。




エメラルドグリーンの湖面の向こう、民族衣装を着てはしゃぐ中国人観光客たち

観光地で踊りや歌を見せて金を稼いだり、
自分たちの民族衣装を観光客に10元で貸す商売をしたり、
土産物を値切られながら売って生計を立てたり、
その方が、のんびりとヤクを飼って、畑を作って自給自足をするよりましだと、
理屈かも知れないが、同時に一方的でもある。
よその国のこと。その国に住む人が選ぶしかない。

この日はまる1日九寨溝観光をし、宿には早く帰られたが、
友人夫妻と夜は民族舞踊や歌謡のショーを見に行き、9時前に部屋に帰った。
それでも比較的のんびりした夜だった。
明日は黄龍観光から再び重慶へ飛ぶ。
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九寨溝・黄龍・三峡クルーズ -1-

2010年06月27日 | 中国の旅2010
6月17日から中国旅行に行ってきた。
阪急交通社のツアーで、人気の九寨溝黄龍と三峡クルーズを組み合わせたものだ。
本来、九寨溝には成都を経由するのが近いのだが、
クルーズの関係で重慶から行くことになる。

まずは、福岡-上海-重慶が1日目の移動。
上海の浦東空港での待ち時間が5時間近くと長く、すっかり疲れてしまった。
重慶のホテルに入ったのは、午前零時に近く、
翌朝8時出発では、いかに五つ星のホテルも意味はない。


重慶の五つ星、ハーバープラザホテルの前。歓迎W杯の横断幕か

2日目は、朝から重慶を簡単に観光する。
三峡博物館と磁器口の2ヶ所。
磁器口は中国人にとっても観光地らしく、多くの人で賑わっていた。
古い家並みを残しているところでそれなりに面白いが、自由時間は余りに短い。


重慶の三峡博物館から、人民会議場を見る。

午後の便で、重慶から九寨溝に飛ぶ。
九寨溝の飛行場は3,000mを超えるところにあり、
幾分空気が薄いかも知れない。
九寨溝の拠点地のホテルまでは120㎞で、3時間以上かかって着いた。
明日からが本格的な観光になる。


九寨溝空港から九寨溝へ行く途中、チベット族の人。写真を写されるのを嫌うが、知らずにカシャッ。

しかしツアーというのはホテルのチェックインが実に遅い。
その上自由時間が全くない。
添乗員の立場に立てば仕方ないかとも思うが。
ちなみに、今回のツアー携行人員は8名という少人数。
それに福岡から添乗員付き。更に重慶から中国人ガイド付き。
はて、このツアーで利益が出たのでしょうか?
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日本代表はいかに -3-

2010年06月26日 | 日記(?)
日本代表の第3戦がある日は、丁度中国旅行から帰った日で、
結構ハードな日程で帰国したため、
とても3:30からの試合を見る気にはなれなかった。

翌朝、6時過ぎに目覚めると、上さんは既に起きていて、
ニュースでは日本勝利の熱狂が放送されていた。
ああ、勝ったんだなぁ、よかったよかったと思ったが、
テレビほど浮かれた気にはならなかった。

昼から、録画しておいたデンマークとの試合を見た。
日本の身の丈にあった戦術と選手起用は従来通りで、
FK2発の先制という、日本の得点パターンが決まった試合だった。
本田のフリーキックはもちろん素晴らしかったが、
遠藤のフリーキックは実に素晴らしかった。
今回名だたる選手が失敗しているカーブのかかるボールを、
見事にゴールに運んだ技術は世界レベルだった。

最後の3点目は岡崎のゴールだったが、アシストした本田が素晴らしかった。
W杯の前までの本田は、レギュラー獲得のためか、
ゴールを狙うことにガツガツし過ぎて、独りよがりな部分が目に付いたが、
ここ3試合は不動のレギュラーというか、チームの核になったゆとりがあって、
そのゆとりが岡崎への見事なアシストになったといっていい。

1次リーグを見ていると、松井のテクニックと、大久保の攻守にいとわぬ動き。
すっかり切れを取り戻した遠藤、共に中盤を支える長谷部と阿部。
サイドの長友のつきぬ運動量とファイティングスピリット溢れるマーク。
ブレークした川島のファインセーブ等々、選手は非常に素晴らしかった。

指揮官は、やりたいサッカーはあるが、現実路線を取らざるを得なかったといった発言をしているが、
彼が現実路線に気づいたのはいつなのだろうかという疑問は消えない。
思うに、選手選考以前ではないだろう。
もしそれ以前なら、選ばなかった選手の一人や二人はいただろう。

やりたいサッカーが現実路線とは異なっていたというのは、なんと虚しい結論なのだろう。
世界のサッカーに対する認識の甘さを問われてしかるべきなのに、
今はただ1次リーグ突破の熱狂に浮かれて、全ては置き去りにされている。
このリーグ突破の賞賛されるべきは選手であり、指揮官ではない。

海外のメディアでは、カメルーン戦の日本の戦いはこき下ろされている。
今回W杯で最低の試合だと。それでも選手の健闘は評価されてしかるべきだ。
オシムは言っている。「守りは簡単だ。相手の創造をこわすだけだから。」と。
今の日本の実力では、この戦いしかないだろうということを、とっくに気づいてしかるべきだった。
そしてこの戦い方を2年間掛けて研ぎ澄ますべきだったのだ。

今年のW杯では、フランスやイタリアがほぼ予想通りに敗退した。
フランスは以前から監督と選手の確執が言われていたし、
イタリアは、カンナバーロやガッツーゾに頼っているようでは将来はない。
イングランドも薄氷のリーグ突破だったが、次は期待できそうだ。

ブラジルは優勝候補の1番手の実力だが、面白味はない。
その点、ある意味日本と同様に、監督に頼らないアルゼンチンは、
その個人技の高さと攻撃性でダークホースに躍り出ている。
今夜からベスト16のトーナメント。
まさに一発勝負の真剣試合だ。
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