ひねもすのたりにて

阿蘇に過ごす日々は良きかな。
旅の空の下にて過ごす日々もまた良きかな。

焼鳥屋の景色

2011年09月19日 | 日記(?)
先日所用があって、鹿児島に行った。
相手の指定で、久しぶりに天文館むじゃきに入った。
ほぼ40年ぶりのむじゃきは、白熊というかき氷の発祥の店として、いろんな雑誌にも紹介されていると見え、
観光客が押し寄せ、記念写真など撮っている。
九州新幹線の一番の恩恵は鹿児島にもたらせたのだろうか。

むじゃきを出た後、3人で近くの居酒屋に入り、軽く飲んだあと、2時間くらいで分かれた。
何となく物足りない感じがあって、天文館の山之口辺りをブラブラして、西屋という焼鳥屋に入った。
カウンター席は、L字型になっていて、先客が3組6人が飲んでいた。
L字のコーナーに席を取った関係で、どの客も見えることになったが、

まず、長い方の辺の端には男女のカップルがいる。
女性は20代後半か、ちょっと残念な釈由美子という風情。
相手の男は、頭頂部が寒くなりはじめて7,8年くらいは経ちそうな40代半ばのオジサン。
ちょっと残念な釈由美子は、手を相手の肩に置いたりする割には、
そのオジサンが自分の方を見ていないときは、欠伸を噛み殺したりして、
その様子を私に見られたと気づくや、ニマッと笑い返す様子は、
若い割にはなかなかの手練れ。

左隣にいるのは、熟年の男同士。話を漏れ聞くと、どうやら同級生のようだ。
左側の方が威勢が良く、「あんたは英語が出来よったな。」などと、話をリードしている様子。
「いやいや、人文地理はダメやっど。」と答える右側は、口調は穏やか。
どうも酔い加減にタイムラグがあるようだが、それだけでもなく、左の方が話をリードしたがるタイプのようだ。
話が、他の同級生のことになると、右の方から、
「先日誰彼と飲んだ。」「Sが数年ぶり鹿児島に帰ってきて連絡があったので飲んだ。」
などと、高校の同級生との交流話に及ぶと、左は急に静かになった。
どうやら、左の方は高校の同級生との繋がりが希薄な様子。
突然の攻守交代といったところか。

右側のカップルは、熟年の男女。
黒瀬の芋焼酎、5合瓶を1本オーダーし、2人でほぼ飲み終わりそうな状況。
女性は、60代半ばか、男性もそのくらい。
カウンターに座っている間、男の声は三言くらい聞いただけで、話は女の独壇場。
内容を聞いたわけではないので、判断は出来ないが、夫婦では無さそう。
さりとて、後ろ指指されそうな関係というのでも無さそう。

土曜日の夜だったので、客は結構入れ替わって多かったが、
私が店を出るまで、その3組は熱心に或いはやや醒めた風情で飲み且つ話していた。

天文館界隈は、かって自分の庭のように過ごした時期があったが、
たまには気分を変えて見知らぬ旅人になって飲むのもいいものだ。
焼鳥屋の景色までも変わるのだから。
コメント
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