ひねもすのたりにて

阿蘇に過ごす日々は良きかな。
旅の空の下にて過ごす日々もまた良きかな。

ハモン・セラーノ

2008年12月09日 | 世界一周記2008
生ハムのことを、スペイン語でハモン・セラーノと言う。
ハム屋さんに行くと、店内の天井から吊してある。
スペインの生ハムは非常に美味い。
塩気もそんなに強くなく、ビールのつまみには最高だ。

このハム屋が併設しているBar(バル)がマドリッドには数軒あって、
その中でも、Sol近くにある1軒は人気があって、ARUKIKATAにも紹介されている。
マドリッドのバルのいいところは、生ビール(カーニャ)を注文すると、
必ず無料のタパス(つまみ)が一皿ついてくるということだ。

このタパスが、その店では各種のハムやサラミ、ソーセージの切れ端で、
一皿でビール2杯飲めるくらい盛ってくれる。
もちろんつまみはオリーブやキノコ、ハム類各種、
コンビナートのプラート(肉か魚とフライドポテトにサラダ風野菜を一皿に盛った料理)もあって、
パンもあるので、食事も出来るのだ。
しかし基本的に座るところはなく、カウンターに立って飲食する。

無料のタパスに生ハムが出ることはない。
これがバルセロナになると、タパス自体が出ない。
仕方なく、何かオーダーすることになる。
そこで生ハムの登場となるのだ。

生ハムには、普通の生ハムと、かの有名なイベリコ豚の生ハムがあり、
その価格差は、3~4倍にもなる。
だから、バルでイベリコ豚の生ハムを食べたことはない。
ところが、バルセロナの日本人宿で、ワインを買ってきて、数人で居間で飲んでいるとき、
市内観光から帰ってきた別の3人が、ワインとイベリコ豚のハムを買ってきて、
飲みましょうということになった。

先行していた我々も一緒に7人でワイワイ言いながらハムをつまんだ。
さすがにイベリコ豚の方は、普通の生ハムとは、似て非なる味がする。
絶品のハムと言っていい。
スペイン料理は、パエリアなど何種類か食べたが、これに勝るもの無し。

ハモン・セラーノ・イベリコ
考えてみれば、日本で食べるより随分安かったのだ。
もっと食ってくればよかった。
こういう貧乏性で後悔することはよくあるんだよなぁ。
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ラマダン(或いはラマザン)

2008年12月04日 | 世界一周記2008
イスラム教には年一度、約一月にわたるラマダンの期間がある。
日本語で端的に言えば断食で、
空に太陽がある間は食べ物を口にしない。
食べ物の中には、水も含まれているので、一切何も口にしないのだ。

これが9月ということで、丁度、トルコとモロッコの旅行期間になった。
この両国とも、ほとんどの国民がイスラム教徒なのだ。
で、夜明けから日没まで、一切何も口にしない。
だが、旅行者はイスラム教徒でない限り、普通に食べ、普通に飲む。
だから、朝から夕方まで、レストランやスーパーは普通に営業している。
少なくともトルコでは。

ところがモロッコに来ると事情は一変する。
マラケシュのような世界的な観光地はまだいい。
フナ広場のレストランなどは結構普通に営業している。
ところが、観光客があまりいない地域では非常に困る。

フェズで2泊したが、2日目の昼、とうとう開いている飲食店を見つけられずに、
屋台のジュース屋で生のオレンジジュースを1杯、
インドのナン風の食べ物を2枚で済ませた。
夜も、営業を始めるのは7時半過ぎからで、これには参った。

カサブランカでは、列車の便が良いということで、
カサボワヤジャー駅の近くに泊まったが、ここには全く何もない。
やっと飲食店を見つけると、昼間は営業していない。
おまけに、ビールがない。
アルコール類は何もない。

飲む、食べるではモロッコは最悪だった。
マラケシュのフナ広場では、カタツムリから肉までなんでも食べられたから、
美味い食べ物がないわけでは無かろうが、
旅行した時期が悪かったのだろう。
計画するとき、ラマダンのことは全く念頭になかったのが、悪いといえばそうなのだが。

おかげで、旅行を始める前に比べて、
この時期は4~5㎏痩せていた。
1日2食が続けば健康にも良いかも知れない、としみじみ思ったものだ。
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贅沢な一夜

2008年12月04日 | 世界一周記2008
贅沢な一夜などと書くと、リッチなホテルで豪華な食事をなどと想像される向きもあるかも知れないが、
実は贅沢な列車の話。

スペインの国鉄は、RENFEといい、なかなか快適なのだ。
日本の新幹線に当たるのが、AVEといい、結構速い。
マドリッドからバルセロナはこのAVEで移動した。
揺れも少なく、快適な旅である。

贅沢をしたのはこのAVEではなく、
バルセロナからグラナダへ行く寝台列車だ。
この列車は、人気があって、チケットは早めに取らないと手に入らないそうである。
その1等寝台に乗ることにした。

もちろん個室である。
ベッドは上下2段あって、2人までは入れるコンパートメントだ。
これに、トイレとシャワーがついている。
アメニティーグッズが入ったRENFEのロゴ入りのバッグもついている。

約10時間の列車の旅でこの部屋を独り占め。
値段ももちろん高いが、快適さは抜群。
周りの客は、リッチそうな夫婦ばかり。
何で薄汚いバックパッカーをかついだ東洋人がこの車両にいるんだ、みたいな視線。

この列車からみるスペインの朝日は綺麗だった。
夜明けの徐々に明るくなる空を、飽きもせず眺めていた。

RENFEの寝台列車は、ブラジルを除くと、この旅唯一の贅沢だったが、
1等寝台での夕食が、サンドイッチと缶ビールというのがバックパッカーの限界か。
それと、グラナダに着いてからの宿探しが、
バックパックかついでの徒歩というのも。
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旅の緊張感

2008年11月29日 | 世界一周記2008
今回の旅で、11月3日のサンパウロからは大学や学移連のOBと共に、
ブラジル観光のツアーに合流した。
ほとんどツアーで旅行していない身には、
このツアーというのがとても快適であると感じられた。

まず、ホテルからバス、バスから空港、その逆もまた、
ずっしりと重くなったバックパックを自分で運ばなくて良いのだ。
ホテルのチェックインも全て係のものがやってくれる。
パスポートを見せる必要もない。
まずは、ホテル探しから入るバックパッカーとは基本的に異なる。

いろんな施設への入場もまたしかり。
煩雑なことはほとんどしなくてよい。
その間、先輩などのツアー参加者と喋っていればよいのだから気楽なもんだ。
その分、旅先の緊張感というものが徐々に無くなってくる。

私はサイフを2個持って行き、ドルや航空券(eチケット控)を入れるやつと、
もう1個は、両替した現地通貨を入れるやつ。
前者にはパスポートも入っていて、こちらの方が重要。
現地通貨のサイフは、2,3日分の金しか入れないので、
盗られてもまあ許せる範囲である。

一人でいる間は、常にこのサイフやパスポートを確認し、
それは1日に数回にも及ぶことがあった。
しかし、ツアーに参加して数日すると、
財布の入ったポケットを触る回数が極端に減り、
寝る前に確認するだけになることもしばしば。

ツアーだといかに気がゆるむかとしみじみ思った。
逆に言えば、一人旅だと、随分気を張っているということを確認した。
旅の疲れというのは、肉体的な疲れもあるが、
この緊張感という一種のストレスによる疲れもあるのだろう。

しかしこれもまた個人旅行の一種の楽しみでもあるのだ。
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日本食

2008年11月22日 | 世界一周記2008
サンパウロのリベルターデ付近はかって日本人街と呼ばれ、
現在では東洋人街という名称になっている。
日本食レストランや、日本食品のスーパーが軒を並べ、
「ニッケイパレス」という日本人向けホテルもあり、
日本人が快適に過ごせる地域である。

ここで4日間1人で過ごしたが、毎日というか、毎食日本食を食べていた。
朝はニッケイパレスホテルのビュッフェで和食を。
昼はラーメン、うどん、焼きそば、ざるそば等々。
夜は野菜炒め定食や天ぷら定食、生姜炒め定食等々。
日本にいるのと何ら変わりないメニュー。

しかし、微妙に味が違うのだ。
食べるもの全てが、確かに日本食なのだが、何かが一寸ずつ違う。
どこがと問われてもはっきり答えられない程度に微妙に違う。
これが外国の日本食なのかと思ってしまった。

スペインのバルセロナで日本食レストランのバイキングがあったので、
少し高いが、久しぶりだったので入ってみた。
寿司から味噌汁、実にいろいろな料理があった。
寿司を作っている職人に日本語で話しかけたら言葉が通じない。
どうやら中国人経営のレストランで、従業員はみな中国人だった。
この手の日本食レストランは結構あるようで、エクアドルのキトにあるのもそうだった。
内装を見るとすぐに分かる。
その上、味が全く日本食ではない。

バンコクのショッピングモールには、熊本の有名店、桂花のラーメンもあるが、
回転寿司屋もあって、ここの従業員はみなタイ人なのだが、
「イラッシャイマセ」というかけ声で客の呼び込みをしている。
その発音と抑揚を聞くとほほえましくなる。
この回転寿司屋でもっとも美味しかったのは、熱い「あがり」だったというのも笑わせる。

持参した荷物の中にインスタント味噌汁があるが、
これは熱湯がないと食べられない。
GHなどの安宿ではなかなか食べられない。
ちょっとしたホテルになると朝食がついていて、紅茶用のお湯があるので、
カップで味噌汁を食べることが出来る。
一度仕方なく水に溶かして味噌汁を食べてみたが、これは駄目だということが分かった。

なるべくその土地の料理を食べるが、
たまには日本食を食べたくなるのは、60年も日本で生きたきた身には仕方ないのだろう。
えせ日本食でさえ懐かしくなるのだから、
つくづく自分は日本人なのだと思ってしまう。
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