ひねもすのたりにて

阿蘇に過ごす日々は良きかな。
旅の空の下にて過ごす日々もまた良きかな。

インザプール

2023年06月23日 | 最近読んだ本
奥田英朗さんの本はほとんど読んだことがなかった。
食べ物に食わず嫌いというのがあるように、本にも何という理由もなく近寄らなかった作家がいる。
奥田英朗さんの作品は多分そんな感じかな。

阿蘇市立図書館の新刊紹介で、彼の新刊「コメンテーター」の概要を読んで借りてみようと思ったのがきっかけ。
で、探してみるとこれは神経科医者「伊良部一郎」シリーズが既に3冊刊行されている。
その第2作の「空中ブランコ」はなんと直木賞を受賞している。
新刊は最後の「町長選挙」から17年ぶりのシリーズ第4作ということだった。

    

伊良部一郎というキャラクターが実に際立っていて、様々な患者との関わりもハチャメチャ。
読んでいると思わず「クックッ」「ムフフ」と笑い声が出て、隣にいる奥方が「何読んでるの?」と訊く始末。
ということで読んだ後は奥方に回すと、めったに本を生まない彼女が2冊を完読。
1作目の「インザプール」は既に返却していたので、図書館に再度予約を入れておく。

どんな話か?
「インザプール」に納められている一作に「勃ちっぱなし」という話がある。
「立ちっぱなし」ではない、「勃ちっぱなし」なのだ。
女性には理解しがたい内容だが、男どもには抱腹絶倒の話で、最初から最後まで含み笑いをせずに読むことはできない。

    

最新作の「コメンテーター」は予約しているが、他の人が借りていてまだ読めていない。
実はワクワクしながら待っているのだ。
ハチャメチャではあるが、その結末には思わず納得する温かいものがあって、
現在、私のお勧めナンバーワンのこのシリーズ本である。
まだ読んでいない方々、悩みを抱えている方々、是非にご一読を。

さて、蛇足ではあるがもう1冊。
かって紹介した砂原浩太郎さんの最新作「藩邸差配役日日控」がいいです。



彼らしい安定感のある時代物で、この作品の後には7月に神山藩シリーズ「霜月記」が刊行予定。
これもまた大いに楽しみです。
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産土ーうぶすなー

2023年06月05日 | 酒と料理と
このところ酒の話が続く。
熊本北部にある和水町に花の香酒造がある。
花の香という銘柄で美味い吟醸や大吟醸を出してきた。
その蔵が,産土(うぶすな)という銘柄の酒を出してきた。
種類は3本、最も高価なエフェルヴェセント、穂増という米を使ったHOMASE、それに山田錦を使った産土 YAMADA NISHIKI。


産土 YAMADA NISHIKI

今回飲んだのは、YAMADA NISHIKI 生酒。
納戸の暗所には置いていたが、冷蔵庫に入れていなかったので、開けるときに若干不安があった。
以前、同じようなケースで開栓の時、栓が飛んだことがあったのだ。
で、栓が飛んでもいいようにLEDの電灯からは慣れた場所で開栓に及んだ。
すると、案の定「ポンッ」と大きな音を立てて栓が天井にまで飛んだ。
幸いなことに酒自体が溢れることはなかったが。

口に入れてみると、シュワシュワと生きのいい口当たり、それでいて幾分まったりした飲み口。
立ち香、飲み香とも穏やかで口の中を幸せが駆け巡る。
一気に飲み上げてしまいそうな予感さえする。

さて肴は何にするか。
最近は野菜をよく食べることが多い。
菜園から取ってきたレタスとサラダ菜、それにサニーレタスを千切りにして混ぜ混ぜにして水に晒しておく。
新じゃがの収穫漏れになりそうな小さいジャガイモを皮付きのまま縦4つに切り、レンジで3分温める。
このジャガイモをオリーブオイルを敷いたフライパンで炒める。味付けは黒瀬のスパイス。

水に晒した野菜を水切りして大皿に盛る。
その上にジャガイモとミニトマトを周囲に置いていく。
真ん中にはライトツナの缶を一つ開けてひっくり返して乗せる。
ドレッシングはお好みで、マヨネーズとスイートチリソース、和風ドレッシングなどを混ぜ、
その時々でマスタードや和辛子を加えたり、適当に作って小皿に取り分けて食べる。

そばには、昨日取ってきた真竹の筍を奥方がきんぴらにしたものが控えている。
そうそう、庭でやたらと増えた蕗を圧力鍋で炊いて幾分甘く仕上げた佃煮もある。
ツナ缶以外は全て野菜の肴だが、美味い酒には何でもありだ。

因みにこの酒は、長女からの早めの父の日のプレゼントです。
もちろん、父の日までは残ることはありません。
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