ひねもすのたりにて

阿蘇に過ごす日々は良きかな。
旅の空の下にて過ごす日々もまた良きかな。

奥深きかな、手作りの世界

2009年09月25日 | 酒と料理と
時々パンを作る。
といってもホームベーカリーが作るのだ。
特に食パンは、任せておけば材料を入れるだけで何の手も取らない。

先日、食パンを作ったら、えらく目が詰まって、重量感のある食パンができた。
何のことはない、よく膨れていなかったのだ。
パン作りで素人の域を超えそうな娘によると、塩がいけないらしい。
塩はイーストの働きを抑えるからあまり入れないようにということだった。

そこで、小麦粉とイースト、砂糖だけで作ったら、
おお、なんとふっくら柔らかに膨れた食パンができたではないか。
砂糖と塩、バターが利いたパンが美味しいのだが、
この膨らみを見ると、考えなおさんといかん。

以前に、ホームベーカリーで2次発酵までさせて、
その後小分けして、丸めて焼いてみたが、
これもあまり膨らまなかった。
しかし味はいいんだなこれが。

このときは、ウィンナーを包んで、ウィンナーパンや、
チーズとマヨネーズを中に仕込んで、マヨチーズパンなど、
いくつかアレンジをしたものを作ったが、
実は、何も入れなかったロールパン風のパンが一番美味かった。

昨年も一度これに挑戦したが、
何が悪いのか全くパンにならず、仕方なくドーナツに化けた。
それを送ったら、孫がとても美味しいと喜んで、
いささか複雑な気分だった。

パン作りの奥は深い。
最近専門のパン屋さんが結構多く、
近くにも「げんき」というパン屋さんがあり、人気だ。
ここで見るパンの種類を見ると、パン屋という職業を尊敬してしまう。

しかし何にしてもそうなのだろう。
野菜や米を作る農家も、自分でやってみればその難しさに悪戦苦闘するし、
いろんな職業が、みな尊敬に値するものなのだと思う。
そうやって人の世というのは成り立っているのだ。

今回はパンの話なので、酒は無し。
ベトナムのフランスパンサンドイッチなら、
現地産ワイン、ダラットワインの赤で決まりだろうが。
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シルバーウィーク

2009年09月22日 | 日記(?)
娘夫婦と孫が帰ってきた。
いくら車が混みそうだからといって、何処にも出かけないでは可哀想だ。
ということで、小国は豊礼の湯に行った。
コバルトブルーの湯で有名な温泉だ。

前回行ったときは、食料を何も持って行かなかったので、
今回はその反省に基づき、ジャガイモ、サツマイモ、スイートコーン、卵を持参した。
蒸気の吹き出し口が8個ほどあって、
温泉に入れば、そこで食材を蒸すのは無料である。

まず、風呂に入る前にサツマイモとジャガイモを蒸し器に入れ、蒸気吹き出しのバルブを回す。
風呂には30分ほど入り、芋の様子を見ると丁度蒸し上がっている。
その後に、トウモロコシと卵を入れて、芋を食べている間にそちらも蒸し上がる。

蒸した食料は本当に美味い。
味が凝縮されて、濃くなっているのを感じる。
特にジャガイモは絶品で、5才になる孫が2個も食べるほどだった。
ゆで卵も味が違うと感じるのは気のせいだろうか。

近くのテーブルでは、味付け豚足やウィンナーも蒸して食べている。
お主できるな、という感じ。
豊礼の湯近くの温泉には、ほぼ何処にでもこの蒸気吹き出し口があり、
列を作って待っているような状態だ。

先に来たのは、5月のゴールデンウィークで、2度目が今回。
しかし多い。家族風呂が多いのだろう。
大風呂は、車や人の姿の割には入っている人が少ないので、
ゆっくりと乳白色の湯と、窓のない外の景色が楽しめる。

帰りには、国道212号線を帰るのだが、
大観峰への入り口付近で車がつかえ、大渋滞を起こしている。
阿蘇市方面からの渋滞は2㎞近い。8~9割方県外ナンバーだ。
長年この道を利用しているが、こんなのは初めてである。

ETCの1,000円効果なのだろうが、びっくりだ。
シルバーウィークも次は6年後の2015年らしい。
その頃は、果たして高速道路は無料になっているのであろうか。
この状態を見ると、遠出には二の足を踏んでしまうが、
高速道路が無料なら平日に出かけてゆっくり楽しめるだろう。
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秋の風

2009年09月19日 | 酒と料理と
熊本でも、阿蘇には一足早く秋が来る。
今年は特に早い秋風が吹き始めた。
日差しの強い日中は、結構な暑さだが、
夜ともなると、窓を閉めないと、寒いと感じるようになった。
いつの間にか、パジャマも長袖になった。

この時期になると、いろんな酒蔵から、秋あがりという酒が出る。
これは、冬季に仕込んだ酒を、冷涼な蔵内でひと夏を越し熟成をさせたものだ。
新酒に比べると、角が取れ、まろやかになる。
香りも落ち着いて、豊かな含み香を見せる酒もある。

この秋あがりを自分でつくるのもいい。
新酒で買った酒を、冷蔵庫の野菜室で半年以上寝かせて飲むと、
新酒の時に飲んだ酒とはかなり印象が異なる。
特に荒ばしりなどという、口の中で暴れるような新酒も、
半年以上の時間が、しっとりと落ち着かせてくれる。

今までにいくつか試したが、その中でも白眉は、黒牛の純米生。
プレミアムもつく高木酒造の十四代の中で、「純米」中取り無濾過もなかなかのものだった。
ダンチュウで一躍有名になった、豊盃の純米しぼりたて無濾過生原酒もまたよし。
生や原酒は出たてはやはり少し荒っぽい。
これを冷蔵庫の野菜室が穏やかな貴婦人に変えてくれる。

いろんな種類の酒を秋あがりにしてみたいのだが、
何分にも、冷蔵庫の管理責任者は配偶者なので、
野菜が優先し、日本酒はせいぜい2本までとなっている。
結局酒蔵の出した秋あがりに頼るしかないのが現状である。

秋田の福小町無濾過特別純米生酒を試す。
香りよく、若干甘口。
夏の終わりに、来る秋の気配を感じながら、もう一献。

さてつまみはと言うと、阿蘇地方の晩秋の食べ物「あかど漬け」。
特産の“あかどいも”の茎を塩で漬け込んだ、阿蘇地方に昔から伝わる伝統食である。
火山灰を含んだ土壌でよく育つという里芋に似た“あかどいも”は、
熊本でも阿蘇地方でのみ採れる地域限定の食材と言われている。

先日、里芋より一足早く収穫し、流水に一晩浸し、
翌日塩をすり込んで漬けたものが、今日食卓に出た。
私は、今まであかど漬けを食べる度に、若干のえぐみを感じて、
それが苦手でほとんど食したことがない。
しかし今回のはえぐみがないので食べられた。

ショウガ醤油で食べるのもいいが、マヨネーズもいいとか。
お試しあれ。秋の味覚を。
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政権交代 3

2009年09月17日 | 日記(?)
昨日、民主党中心の連立内閣が発足した。
国民の1票が、現実の形となって現れた瞬間だった。
そんな中、民主党の新人議員が国会に姿を現すところがテレビで報道されていた。

民主党のある新人女性議員が、過去の映画出演でヌードになったのどうのと、
週刊誌やネット上でかしましい。
このことについて皆さんはいかがな感想を抱かれますでしょうか。

私は岡目八目な、下世話な話題にはあまり興味がない。
彼女が過去にヌードになったとしても、彼女にとってのそれなりの理由があったのだろうし、
そのことで誰かに迷惑をかけたこともなく、罪を犯したわけでもない。
ほかの国会議員はそんなに清廉潔白なのだろうか。

彼女の対抗馬だった自民党の候補は大学時代の若い頃、
売春等取締条例違反で逮捕されたと、ある週刊誌に載せられて、
総理大臣だった彼は事実無根だと言って、民事訴訟を起こしたことがある。
これだって若気の至りで許せないことじゃない。

国会議員がもし、過去のプライベートな部分で現在を問われるなら、
何人が国会の場に残ることができるだろう。
彼らに問われるのは議員になった時点からの行状である。
政官業の癒着や、官僚の天下りを長年見逃してきた議員の方が、
国民に対して、大きな罪を犯してきたのではないのか。

今から先、民主党がどのようなビジョンを持って日本の舵取りをするのか、
そこに議員一人一人がどう関わっていくのか、
これから先をしっかり見守っていくことが我々の義務である。

私は、人の過去をもってその現在を批判するほどに、立派な人間ではない。
だからだろうか。
ヌードという過去をもって、現在の彼女をおとしめる週刊誌の記事や、
ネット上に吹き出す彼女への批判に対し、一種胸の悪くなるような気分になるのは。

いずれにしろ政権交代した船は出帆した。
我々はその船から、多分4年間は降りることはできないのだ。
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キャベツ

2009年09月16日 | 酒と料理と
キャベツやレタスなど葉野菜がいまだに高い。
消費者には大変だが、生産者にとっては喜ぶべきことだろう。
ただ、これも長雨による生産料の不足から来るものであれば、
農家にとって手放しで喜べるものではない。

農業も作物が需給のバランスで価格が決定される宿命にあり、
生産過多の場合、作物を収穫して箱詰めするのさえ採算が取れないことがあり、
その畑を見捨てるしかないことがある。
自分で野菜を作ってみると、その行為の無念さがよく分かる。
野菜は、ものによっては、数ヶ月を経てやっと収穫できるのだ。
工場で生産されるものに比べると非常に効率が悪い。
我々消費者も、ただ高いの安いのという視点だけで農作物を見るべきではないのだ。

と、難しい農業政策手前まで話が行ってしまったが、
我が家のキャベツの話。
今のキャベツは、どちらかというと春キャベツに比して固い。
生食には向かない。

そこでつい炒め物に使うくらいしか用途を思いつかなくて、
いつか冷蔵庫の野菜室の中で、萎びかけてしまっている。
直径15cmくらいの大きさまでになった使いかけのキャベツ。
これを丸のままで使おう。

まずキャベツの真上から十字に包丁を入れる。
芯の近くまで深く包丁を入れ、
ボールで、塩胡椒を入れてしっかり練った鶏ミンチを、
包丁を入れた隙間にたっぷり詰め込む。
たこ糸で、包丁を入れた部分からずらして、
やはり十字に結んで、肉が拡散しないようにする。

キャベツが丁度収まるくらいの鍋に、水をひたひたに入れ、
コンソメで30分ほど煮る。
串でキャベツを刺してみて、芯の方までスッと通ったらできあがり。
串が通らないときは、再度しばらく火にかける。

食べるときは、一度キャベツを取り出して、
たこ糸を除いたところで十字に切り分け4等分し、
深い器に入れて、煮込んだスープもたっぷり入れて食卓に出そう。
最後に黒胡椒をパラパラと降りかけてもいいし、
好みでマスタードでキャベツを食べてもいい。
優しい味のキャベツと鶏ミンチのコンソメ煮。

昔何かで見たことのあるレシピで、
そこでは鶏ミンチでなく、コンビーフを使っていたような気がする。

さて、これにはやっぱりワインかな。
リオデジャネイロのスーパーで買った、ブラジルの白ワインの鮮烈な味が忘れられなくて、
ここは日本で手に入るブラジルワインの白、「オレマス シャルドネ」にしよう。
若干味わいは違うが、リオの街を思い出して、その気になって一杯。
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