職場体験で来ていた中学生の植木さんが
BLOGを三つ書いてくれました。
今日は 乙武洋匡さんのツイッターの紹介です。
以下については、特別支援教育メーリングリストの方に教えていただきました。
「特別支援教育の在り方に関する特別委員会」の
委員の一人です。
この
議事録・配布資料が徐々に公開されています。
その中での発言
(引用はじめ)―――――――――――――――――――――――――――――
【乙武委員】 乙武です。僕も就学相談・就学先決定についてです。現状では、
保護者の意見を最大限尊重し、区市町村の教育委員会が決定するという方向で議
論が進んでいますが、僕自身はやはりここにどうしても疑問を感じています。例
えば、9ページに、親身に相談に乗るとか、地域で受け入れるという意識を持っ
て相談に臨むということが書いてありますが、それって、結局、態度、姿勢の問
題であって、そのようなものは後で幾らでも言えるのかなと思います。「いや、
親身になったのですけれども、御希望に添えませんでした」とか、「受け入れる
姿勢でしたけれども、だめでした」とか、何でも言えるかなと思います。
結局、区市町村が決定をする際に判断をするのが専門家の意見であると、その
専門家の意見というのがどうなのかなと思っています。主にそれまでの経験です
とかデータというものに基づいて専門性というのが生まれてきていると思います
けれども、果たして全ての子どもがその経験、データに当てはまるのかというこ
とについて僕は疑問に思っています。例えば、最近は発達障害と呼ばれる子ども
たちも出てきていて、一見何の問題もない、何の障害を抱えていないような子ど
もだけれども、実際に学校生活を送ってみると、なかなか周りとうまくいかない、
適切な教育を受けられていないという現状があるのと同じように、逆に、一見、
ここは少し難しいのではないか、通常の学級ではなかなか受け入れることが難し
いのではないかと専門家が判断しても、実際、もしその学級に入ってみたらうま
くいく、その子にとって実は適切な教育であったというケースも十二分にあると
思います。
例えば、僕自身が28年前に就学指導を受けて、一般的に考えれば、約30年前に
両手両足、四肢が全部ない、電動車いすに乗った子どもが通常の学校、通常の学
級に受け入れられるということは、常識的に判断すればあり得なかったと思いま
すし、普通であれば、養護学校へという判断が一般的だとは思いますけれども、
当時の教育委員会、当時の受入れ先の校長先生が、どういう御判断だったのか、
受け入れてみましょうということで、受け入れてくださったら、何とかなってし
まった。もちろん、そこには担任の先生をはじめ、周囲の大人の人たちのすばら
しい御指導、御支援があったからだとは思いますけれども。そういうケースもあ
るということを考えると、実際に入れてみないと、うまくいくかどうかはわから
ないのに、この子は無理だろうという判断で、その地域の学校でその子が能力を
伸ばしながら、地域の子どもたちと一緒に教育を受けていけるという可能性が奪
われてしまうというのは、すごく怖いことだと思っています。
結果的に、特別な教育ニーズのある子どもが通常の学級に入ってみて、やっぱ
り難しさがあった、なかなかうまくいかないということで、途中から特別支援学
校や特別支援学級に移って勉強していくということも、もちろんあるとは思いま
す。でも、その際の保護者の思いというのは、初めから通常の教育を受けさせた
かった、通常の学級で学ばせたかったという思いを、忸怩たる思いを抱きながら、
最初から市区町村の教育委員会の判断によって特別支援学校・特別支援学級で学
ぶことになるのとでは、大きく違ってくると思います。
ここで大事なのは、保護者の自分の子どもに対する障害の受容ということかな
と思います。僕自身の場合は、母親が、父親もですけれども、僕が生まれてから
すぐにこの障害を受容してくれて、育ててくれることができましたけれども、や
はりなかなかそういう親ばかりではない。特に僕の場合は、見てすぐにわかる障
害なので、生まれてすぐ「ああ、障害者だ」とわかりますけれども、品川委員が
おっしゃっているように、ぱっと見てわからないとか、だんだんわかってきたと
か、いろいろなケースがあるからこそ、余計保護者の受容ということは、すごく
これから大事になってくるのかなと思います。
そのときに、やはり小学校に上が
る、人生の新たなスタートを切る段階で、「あなたはこっちです」という、家族
ではない第三者の判断によってスタートラインを決められてしまうというのは、
やはり社会から拒絶されているような感覚を受けてしまうのではないかと思いま
す。やはり自分は、自分たちの家族は、こういう教育を受けさせたいという形で
スタートしてみた。けれども、なかなかうまくいかない。やはりこちらのほうが
よかったのではないかというように、だんだんと軌道修正をしていくということ
ができるのとできないのとでは、大きく本人、そしてその家族の人生というもの
が変わってくるのではないかなと思っています。
この委員会の中では品川委員が再三御指摘されているように、最近では教育ネ
グレクト、つまり、親がその子どもにとっての一番の支援者であり応援している
人間であるという前提が覆されてしまうような家庭も、確かにないとは言えない。
そういうケースに関しては、また別途議論が必要なのかもしれませんけれども、
原則的には、僕自身は、就学先の決定権というのは、やはり保護者にあるべきな
のではないかなと考えます。以上です。
(引用おわり)―――――――――――――――――――――――――――――
続きはWEBで・・・
特別支援教育の在り方に関する特別委員会 議事要旨・議事録・配付資料
品川裕香さんや 杉山登志郎先生のお話など
われらが代弁者の熱弁を実感できます。