

【「蔓日々草(ツルニチニチソウ)」】

炉辺荘の安楽椅子に喘ぎながら身を 沈めた途方もなく太った婦人は溜息を着き、 春もあたしの若い頃のようには 素晴らしくないと悲しげに言った。 「ねえ、ミッチェルさん、 変わったのは春ではなく・・・ あたしたちだとお思いになりませんか?」 と、アンは微笑した。 「そうかも知れませんね。 私が変わった事はようく承知してますよ。 今の私を見なすって、この私が以前には この辺きっての綺麗な娘だったとは 思いなさらないでしょうね?」 確かに思わないとアンは考えた。 【「炉辺荘のアン」 第22章】 |

三月最後の今日は、昨日と打って変って曇り空。
そのせいか少々、肌寒さを覚えます。所謂(いわゆる)、花冷えですね。
今丁度、目の前の里山がピンクに染まっています。
桜で埋まった山。その淡いピンクは何と美しいのでしょう。
遠目に眺める桜は幻想的でもありますね。
一方、その目を下に転じれば・・。
ヒヤシンスではない青い花が、チラリ。
この春、初めて咲いた 「蔓日々草」 です。
確かこの花、早い年は2月にだって咲いていたのではなかったかしら・・?

かと思えば、裏庭には蕾を付けた野生の菫を発見。
そう言えば、そろそろ匂い菫が終盤に差し掛かっていますものね。
上手い具合に野生の菫は、それと入れ替わるように。
そして 「ムスカリ」 も続きます。
華やかな桜に比べれば対照的な花。
しかしながら奥床しくひっそりと咲く、これら青い花に引かれます。
青は心が落ち着くという事もあるのかも知れませんね。
特に蔓日々草のあどけない花姿には、幼き日の姿も重なります。
何と花言葉は、「幼馴染(おさななじみ)」 だったのですね。
そう思えば、ちょっと頼りなげだけれど・・何でも話せるような気もして。
幼馴染・・素敵な言葉。心にぽっと温もりを与えてくれますね。