桃の節句、雛(ひな)祭りの今日はまさに冬に逆戻りの寒い朝となりました。
そんな中開花した清楚な「匂い菫(ニオイスミレ)」。
ただ、いかんせん恥ずかしがり屋の菫は、
俯(うつむ)くばかりで一向に顔を上げてくれません。
そればかりか全体的に後ろ向き。
おまけに今日は、どうしたものかなかなかピントが合いません。
“こっち向いて”
~なんて呟いてみたところで詮方ない事ですのに。
ところで雛祭りで思い出したのですが、
先般、フジテレビがとんでもない
事をやってくれたそうですね。
最近では、フジテレビは偏向が
きついので、フィギュア以外は
ほとんど見る事はありません。
従ってネットからの情報です。
それによれば、タモリの
「笑っていいとも」 の番組中に壇上に並んだ
お雛様に点数を付け、そのお雛様を倒して競うというものだったとか。
しかも公序良俗をしらしめんたる公器で。
初めは本物の人形を倒したのかと思ったのですが、
お雛様を模(かたど)った、パネルだったそうですね。
とは言え、「お内裏様とお雛様二人並んで澄まし顔」
サトーハチローの詩による童謡でもお馴染みの
お内裏様とは、天皇、皇后両陛下の事。(因みに内裏とは皇居)
すなわち内裏雛は両陛下のお姿を模った雛人形なのです。
そのお雛様をこともあろうに倒し、
お笑いの面々でふざけ合うとは・・。
それこそ世も末、開いた口がふさがりません。
誰しも記憶にあると思うのですが、女の子にとってお雛様は特別のもの。
どこの家庭でも布にくるまれ箱に入れられ、
大切に保管されているのではないでしょうか。
私自身、母と一緒に箱の中から丁寧にそれらを出し、
一体、一体お雛様を雛壇に飾る時のワクワク感。
逆に片付ける時の何とも言いようのない喪失感もありますが、
それらを含めて今でも忘れられない、懐かしい思い出です。
それ程大切なものをふざけたネーミングの下に倒して遊ぶ・・。
およそ日本人では考えられない感覚です。
百歩譲って、その意味を知らなかったとしても。
そもそも魂が宿るとされている人形自体、
粗末に扱う感覚はありませんから。
元々このお祭り、奈良時代に宮中で曲水の宴が
催された事に始まるそうですね。
水の流れに沿って岸の角々に座り、
上流から桃の花を浸したお酒で満たした杯を流して、
杯が前を過ぎるまで詩を詠み、
杯を取ってお酒を飲むという何とも風雅な遊び。
前述の番組内の行為の浅ましさに比べ、
こんな文化が日本にある事を誇りに思います。
そうそう、今年のお雛様は、
中国からのPM2.5の影響でマスク姿。お雛様も大変ですね。
【嬉しい雛祭り】 1. 明りをつけましょ 雪洞に お花をあげましょ 桃の花 五人囃子の 笛太鼓 今日は楽しい雛祭り 2. お内裏様とお雛様 二人並んで 澄まし顔 お嫁にいらした 姉様に 良く似た官女の 白い顔 3. 金の屏風に 映る灯を かすかに揺する 春の風 少し白酒 召されたか 赤いお顔の 右大臣 4. 着物を着替えて 帯締めて 今日は私も 晴れ姿 春の弥生の このよき日 何より嬉しい 雛祭り |