【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

詩人の魂

2013-03-19 16:55:56 | 心の宝石箱







「ご覧なさい。あの が見えて?」
(中略)
「あたしならむしろ、絵と言うわ」
ジェーン は、
「詩とは行や節の事を言うのよ」
「あら、そうじゃないわ」
アン は、・・・・・頭を強く振った。
「行や節は詩の外観の衣裳に過ぎないのよ。
丁度、あんたの襞縁ひだべりや、飾り襞が、
あんたではないと同じように、
行や節自体が詩ではないのよ。
本当の詩はそういうものの中にある魂の事よー
そしてあの美しい一編は、
文字に書き表してない詩の魂なのよ。
詩を見る事はそう、始終は望めないわー
詩の魂 だって、そうよ」
                    【「アンの青春」 第13章】



   昨日の雨は朝には上がり、春本番の暖かさです。
  今日は本当に穏やかな一日。しかしながら、昨日は春一番も。

   こちらはそれほどでもなかったのですが、
  台風並みの風が吹いた所もあったようですね。

   立春から春分までに吹く暴風を 「春一番」。
  感性の豊かな日本人らしい言葉だと思うのですが、
  元は漁師の言葉だったそうですね。

   “これが吹かないうちは漁に出ない”
  西日本一帯で使われるようになり、
  やがて、気象用語になったそうですね。

   そう言えば、漁師さんたち、常に自然と対峙(たいじ)
  しているのですもの。気象に敏感で詳しいのも納得です。




【「スコットランドの釣鐘草」 ~ スコットランド民謡】



   さて、前述の記事から連想した事。
  漁師から海、そして春一番、俳句の季題、詩人、
  果ては海から防人(さきもり)、最後は万葉集へと・・。

   所謂(いわゆる)、お得意の想像の連鎖。 
  申すまでもなく、万葉集には飛鳥時代から奈良時代までの
  天皇や貴族の歌に始まり、名も知れぬ防人の歌まで
  4500首余りもの歌が収められています。

   防人と言えば、辺境を警備する兵士の事。
  そんな名もない貧しい若者たちまで歌を詠んでいたのですものね。
  日本人って、詩人の魂を持つ民族・・だと思うのです。 

   「梅の花咲きて散りなば桜花
     継ぎて咲くべく成りにてあらずや」

                       ~薬師張子福子

   「春の苑くれなゐにほふ桃の花した
     照る道に出で立つをとめ」

                       ~大伴家持

   言葉の意味など良く分からなくても、
  大らかさ、素朴さ・・十分、伝わって来ますね。
  声に出して読んでみますと、尚更心に響きます。美しい言葉。

   こんな美しい言葉をさらさらと筆文字でしたためたら、
  どんなに素敵でしょう。そう思って取り出した、便箋と筆ペン。

   本当は仮名文字をさらさらと書ければ良いのですが・・。
  たまたま横書きの便箋。ならばと・・。

   でも愛用の筆ペンで、英文字がスムーズに書ける事を知りました。
  和から洋まで自由自在の筆ペン。益々、好きになりました。