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【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

春の鼓動

2012-01-27 15:56:06 | 香る庭の花綴り










冬の樹々は天に義足を投げ出していた。
それから暖炉の側の少女の裸体は、
燃える薔薇のように見えるのだが、
窓に歩み寄ると、それは造花である事が露見して、
寒さに鳥肌立った肌は、けば立った天鵞絨ビロード
花の一片に変貌するのであった。
                【三島由紀夫著 「詩を書く少年」】









   昨日以上の
  冷たい朝を迎えました。

   起き抜けの気温も、
  とうとう10度を切る事に。

   昨日は薄らといった如露の水の
  凍結も(まだ水が動いていました)
  今朝は、ほとんど動きません。

   外は恐らく氷点下なのでしょう。
  それにしても厳しい寒さとは
  思えない程、澄んだ優しい空。

   さて、冒頭の写真。
  いの1番に花芽を付けた、こちらの 【匂い菫(ニオイスミレ)】 。

   初めて、その存在を確認してから今日で、およそ 10日 。
  あまりの寒さに “シマッタ~!” と思っているのかも知れませんね。

   菫の特性とは言え、俯く風情の楚々とした菫を見ていますと・・
  何だか可哀想で、せめて他の仲間はいないかと探してみたものです。

   他には、まだやっと緑の小さな蕾を付けたばかり。
  とは言え、10日前にはその蕾の存在さえ、なかったのですから、
  後、もう少しの辛抱ですね。菫の1人旅は、もう少し続くようです。











                                【「海老草(エビソウ)」】
   今年の冬は秋が
  長かったせいなのか・・

   (はたまた気付かなかった
  だけかも知りませんが)

   冬になってもその名残りの色が、
  あちこちに残っていて目を奪われます。

   その中で薔薇の木。
  花も然る事ながら、
  葉っぱの美しいこと!

   自然の醸し出す色に感嘆しています。
  女王の中の女王ですね。

   そうそう上記の引用文。
  “冬の樹々は天に義足・・”
  云々(うんぬん)。

   氏らしいと言えばそれまでですが、
  凡人には思い付きもしない感覚。

   やはり天才ですね。
  その感性には凄みさえ感じます。

   ところでこちらの海老草の葉っぱ、
  秋の初めの頃からこの状態のままです。

   所によっては、
  その葉っぱを真っ黒にしているのもありますのに。
  見るも無残な姿。ここでも薔薇の美を思わずにはいられません。