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【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

途中下車は短編で

2012-01-08 17:01:01 | A・クリスティーの館






それは綺麗に艶出しした
マホガニーの 丸テーブル で、
真ん中には花瓶に入れた薔薇が飾ってあり、
真っ白な レース の花瓶敷きがピカピカした
テーブルの表面にしっとりとした感じで載っている。
(中略)
飲み残しの 珈琲カップ が3つ ――
ミルクなしが2つで、1つはミルクを入れてある。
3人の者は皆 葡萄酒 を飲んだらしく、
半分ほど入った瓶が、
真ん中の盛り皿の前に置いてある。(中略)
葉巻とシガレットの入ったべっ甲に銀の金具を
付けた箱が、開いたままテーブルに載っている。
            【A.クリスティー 「イタリア貴族殺害事件」】


   今日は雲1つない快晴の朝を迎えました。
  こんな空では、いつものように “刹那の空” に
  一喜一憂する事はありません。反面、一抹の淋しさも。

   でも心配する事はありませんね。冬の空ですもの。
  午前9時半頃には雲も。本当に降って湧いたような雲です。

   と言っても目の前の空だけ。
  振り返った西や北の空には、相変わらず何もありません。
  ~なんて。やはり相当、空に振り回されていますね。



【別角度から】


   さて、「A.クリスティーの館」 も久し振りになってしまいました。
  長編に飽きた時など、ちょっとした気分転換に短編はいいですね。
  
   特に推理小説のそれは私にとって欠かせません。
  そこには、短い中にもハッとするようなトリックが、
  あちこちに、それこそ宝石のように散りばめられていて。

   加えて、スピード感。
  そんな所が、途中下車してしまう理由かも知れません。

   尤も最近は、ほとんどと言っていいほど短編でお茶を濁している私ですが・・。
  そんなこんなで。今日の短編も相変わらず 「ポアロ登場」 より 「イタリア貴族殺害事件」 を。

   今回もポアロの “灰色の脳細胞” も冴え渡りますが、
  ここでも下記のような料理が事件の伏線に。
  
   そして上記の・・丸テーブルやレースといった、
  さり気ない部屋の描写にも推理小説の枠を越えて惹かれます。
  物騒な殺人事件ですが、視点を変えれば又楽し・・という事かも知れません。

   それにしてもこの小説は勿論、ポアロミス・マープル も飲むのは
  珈琲ばかり。どうやらイギリス人は紅茶だけ飲んでいるのではなさそうですね。
  
   そうそう今回の食事、 【前回】 と違い、毒の心配はありません。  
  どうぞ、安心してお召し上がり下さい。


【注 : 「ジュリエンヌ・スープ」 → 細かく刻んだ人参、葱等の澄ましスープ】