【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

ロマンティックな雨

2008-06-22 16:49:43 | 四季のスケッチ


   日曜日の朝は、雨で明けました。
  尤も、その雨はすぐにやみ、今も降っていませんが、
  すぐにも泣き出しそうな、鬱陶しい空に変わりありません。

   梅雨の真っ只中ですから、当然と言えば当然ですが、
  今日も湿度は70%を越え、蒸し暑くなっています。

   でも、ひとたび庭の草花に目をやれば・・。
  先日頂いて来た花は切り花を楽しんだ後、(名前を聞いたのに思い出せません) 
  そのまま植えてみました。どうやら根付いてくれたようです。

   他にも、そのようなものが2、3あって・・。
  こんな風に植物が簡単に根付くのも、梅雨の今の時期だからこそ、なのでしょうね。

   「梅雨」 と言えば・・。この言葉は、江戸時代に生まれたそうですね。
  その説は色々あって、「梅の実の熟する頃の雨」 とか、黴(カビ) が生える時期だから
  「黴雨」(ばいう) とか、およそロマンティックでないものもあります。

   でも、青梅雨あおつゆ という美しい言葉は、“青葉を濡らして降る雨” との事。
  “青” には、幼く未熟という意味もあり、
  そのニュアンスも含んでいると言いますから、奥行きがあります。

   日本人の元来持つ、慎み深さや奥ゆかしさが、
  こんな言葉から確認出来て? 何だか嬉しくなります。

   その雨も、「風の実」 「磨刀雨まとうう」 「天泣てんきゅう」 「余花の雨」
  「私雨」
等など・・。

   倉嶋厚 監修の 『雨のことば辞典』 には、
  “雨” だけで、千語余りも集められていると言いますから、驚きます。
  日本語って、素晴らしいですね。

   この事からも、日本人の暮らしと雨とは、
  昔から切っても切れない関係にあった事が、分かります。
  雨の恵みと災害・・。その両方と上手く付き合いながら、生きて来たのでしょうね。

   そう言えば、「(雨に)濡れる」 と
  いう表現にも文化的、
  風俗的な繋がりが深いようです。

   他にも 「濡れ衣」、
  「濡れ手」 等など・・。  
  
   ところで雨の上がった
  午(ひる)下がり・・。

   お隣から家庭菜園で採れた
  ばかりのきゅうりを頂きました。
  
   農薬を使わないそれは甘くて、
  瑞々しく・・とても美味でした。

   そうそう、冒頭の写真は言うまでもなく、クローバーです。
  最近、一面のクローバーの原っぱを、とんと見なくなった事に気付きます。

   と言うのも、『赤毛のアン』 のこんな言葉に接したからなのです。
  勿論、蛙の鳴き声も・・なのですが・・。

   “ある 6月 の夕方のことだった。
  果樹園には再びピンクの花が咲き、
  「輝く湖水」 の上の方の沼では蛙が低い声で
  楽しそうに歌っていた。
   空気は クローバー の原と、樅の林の香りで、
  馥郁ふくいくとしていた。・・・”
                  【「赤毛のアン」 第20章】