江上 剛氏の作品。
小説、といふより三井銀行 筆頭常務 池田 成彬(せいひん)氏の生涯といふか
半生をつづつた作品です。
池田氏は、三井銀行トップから日銀総裁、大蔵大臣を歴任されます。
時代は、昭和初期。
軍部が政治に介入しはじめ、日本が大東亜戦争へ突入していく時代に池田氏の
活躍の時が重なつてをり、学ぶところもありました。
学校では、「日本が戦争一直線」といふやうな「国家総動員法の施行」、だういふ思想を持つてゐたのかの詳細な説明もなく覚へることとなつた「北 一輝」らの各人の氏名などが並びます。
そして、誰がどんな思想でどんな行動をして行つたのかもわかりやすかつたです。
池田氏のやうに、「なんとかして戦争を止めやう」とする人たちがいたのだなと
教へてくれる作品です。
しかし・・・・・
思つたのは
軍人が、政治介入・力を発揮しだすと恐ろしひ・・・・ だういふことになるのか
よくわかりました。
軍人といふより、一つの特技(才能)だけで国といふ機関を動かすことは良くないなと思ひました。
色々な省庁があるやうに、人も適材適所色々な人材が集まつてバランスよく国を動かして行くことが必要だと思ひます。
何故、昭和天皇は戦争を支持して行つたのか・・・・?
それだけが謎として残りました。