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Guttorm Guttormsen Kvartett / Sotunudi ( ノルウェー MAI 7509 )
1950年生まれのノルウェーのリード奏者であるグットルム・グットルムセンは自己名義のアルバムを今のところ2枚だけ残していますが、これは1975年7月に
スタジオ録音された第1作。 ここではソプラノサックスとフルートをワンホーンで吹いています。
アメリカのハードバップやその後のフリーやスピリチュアルの欠けらはどこにもない、当時の平均的なコンテンポラリージャズで、似た雰囲気を探すとすれば
ECMのガルバレクの音楽が一番近いですが、あそこまで北欧音楽の土着的な伝統にどっぷりとつかった感じではなく、もっと素朴で遠く離れた田舎の
静かで澄んだ空気の匂いがします。
グットルムセンのソプラノはやはりガルバレクの影響を受けているのか、中低音部の音色や吹き方はよく似ているし、演奏はかなりしっかりしています。
バックのピアノトリオも過不足のない安定した演奏で悪くない。 どの楽曲もテーマ部のメロディーは平易でわかりやすいし、世界を席巻したフリー、
ファンキー、スピリチュアルなどで汚されてもいないので、なかなか感じのいい音楽になっています。
テナーやアルトは吹かず高音域のリードだけを使っているので全体的に清潔な雰囲気で統一されているし、グットルムセン作曲のオリジナルばかりで
構成されているのでアルバムとしてのまとまりもよく、刺激に欠けるところはありますがシンプルで質感のいい音楽になっていて、コンテンポラリー系が
あまり好きではない私でも好感を持って聴くことができます。 重厚なモダンジャズに疲れた時の箸休めにはちょうどいい感じです。