Curtis Fuller / The Curtis Fuller Jazztet With Benny Golson ( 米 Savoy MG-12143 )
トランペットがアート・ファーマーからリー・モーガンに変わったジャズテットとしての演奏だが、この辺りはすべてベニー・ゴルソン人脈
だから、聴く前からどういう演奏なのかはわかるし、実際、その通りの演奏が繰り広げられる。
ファーマーのくすんだ音色がモーガンに置き換わって大丈夫なのか?と心配になるが、面白いことにモーガンはテーマ部のアンサンブルには
加わらず、ゴルソンとフラーの2管だけでテーマを受け持つ曲が多く、そのおかげでジャズテットとしての音楽が維持されている。
ゴルソン・ハーモニーを基調にしたスモーキーな雰囲気が全体に濃厚に漂い、よく考えられているのがわかる。
ピアノがウィントン・ケリーというのもミソで、他の作品に比べると鮮度が高く清廉な感じがする。この人にしか出せない明るく澄んだ音色が
よく効いていて、音楽を一段上へと押し上げるのに貢献している。チャーリー・パーシップのドラムのキレの良さも抜群。
マイナー・キーの楽曲が多く、彫りの深い翳りを帯びた雰囲気に仕上がっていて、すべての人に愛される理想的なジャズとなっている。
録音はヴァン・ゲルダーだが、ここでのサウンドはサヴォイのメリハリの効いたRVGではなく、蒼くくすんだブルーノートのRVGだ。
程よい残響感の中で、憂いに満ちた音楽が鳴り響いている。
私がこれを拾ったのは6年前。盤は新品同様、ジャケットもPost Box表記の無い初版で当時は6千円くらいだったが、近年は全く出てこなくなった。
ユニオンのジャズ担当も「高額買取の中に入れても入って来なくなった」とボヤいており、レコード不足は灯りが見える気配がない。
緋色ラベルの再発盤(RVG印あり)を所有していますが、SAVOYのイメージ音とちがい、やや重めでお話のオリジナルと似ています。
ところで、玉の供給が相当、酷いようですね。このままでは市場全体が縮小します。と言う自分もここ二年ほど円盤屋へ足を運んでいなくマズいです(笑)。今の状況が早く収束することを願うばかりです。
こんにちは。
サヴォイはRVGカットであれば、初版もセカンドも音質は変わらないと思います。(ささやかな経験上・・)
コロナ禍を契機に、エサ箱の内容は本当に酷いことになっています。最初の半年(20年上期)くらいはそうでもなかったのですが、
秋以降、完全に干上がってしまいました。中古レコードは一体どこへいったのでしょう??
雨乞いの踊りをするしかないか・・
ご指摘ありがとうございます。Wikiにそのまま書いてありますね。