第31夜 漁りの想い出

2007-01-17 21:26:07 | 釣行回顧録

2007.1.17

めばる君のコメントで思い出した。

冬の大潮の夜の干潮時はマイナス潮になります。何時もよりかなり潮が引くので、普段は歩いて行かれない岩場まで辿り着くことが出来る。

20年くらい前の事ですが、当時は釣りよりも漁りに凝っていました。

初めて真夜中の漁りに行ったのは、私の知り合いに誘われて笠戸島のとある岩場に嫌々行ったのですが、その時に拳大のサザエや草鞋のようなアワビ、それにトコブシなどがバケツ一杯に獲れたのです。これで病みつきになりました。

服装がこれまた凄い。当時は暖冬などなくて真冬の真夜中はすこぶる寒い。カイロを装填し、しっかり着込んだ上に雨合羽を着る。風をシャットアウトするために合羽の袖口は手に嵌めたゴム手袋と、そして合羽のズボンの裾は礒靴とをガムテープでぐるぐる巻きにして留める。ゴム手袋の上には軍手を嵌める。頭からは、デストロイヤー、ミル・マスカラスのように毛糸製だがマスクを被り、ヘッドライトを付ける。背中には登山用の大きなリュックを背負い、バケツを入れる。バケツの中には、アワビ起こしや網袋、熱いコーヒー入りのポット、バナナ、チョコレートなどを入れる。手には大き目の懐中電灯やカキウチ棒を持つ。

このような装備で笠戸島のとある駐車場に着くと、真冬の真夜中だというのに車がわんさか停まっているではないか。皆漁りをやりに来ているのだ。アンビリーバボーの世界だった。

5~6年は続けたと思うが、サザエも少なくなり小さなサザエしかいなくなったので、次第に足が遠のいてしまった。我々が獲りに行くのはしれているが、漁師が刺し網で一網打尽にしてしまうのだ。

漁りに行って帰宅するのは朝方の4時、5時になる。当時まだ若かった頃でも、岩場を這いずり回り、駐車場までの往復で疲労困憊して、眠りに就いた時には日ごろ鼾を掻かない私が、大鼾で寝ていたと家人がよく言っていた。今じゃあ体力的にもう無理かも知れない。若き日の良き思い出である。

コメント (2)
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