「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「夾竹桃 知られざる一面」

2015-08-30 00:13:14 | 和歌

 初夏から秋にかけて、自由奔放に逞しく枝を伸ばし、可憐な花をたっぷりと見せて呉れる花、それが「夾竹桃」だ。毎年伸びた枝をバッサリと剪定しても、生命力が旺盛な夾竹桃は忽ち背丈を伸ばして、公園や道路沿いの何処にでも花を咲かせる、ごく身近で親しみのある花木だ。


                        撮影とご提供 片岡勝子様

 ところが意外な特徴があることが、殆ど知られていないのは何故であろう。
見事な花を観て愉しめば、意外な特徴を知ろうともしないのは、自然の理なのかもしれない。 が、「夾竹桃」は、思いもよらぬ強い毒性を秘めているのだ。
その猛毒成分を摂取すれば、家畜や人間をも中毒死させる事故が起きかねない、
要注意植物なのだ。

 樹液に含まれる成分が、嘔吐・吐き気・下痢・不整脈など等を惹き起こすという。
この毒は中枢神経に作用し、中毒による死因はほとんどが心臓麻痺だそうだ。
ごく身近にある樹木だけに、ましてや「夾竹桃」の花には親しみがあるので、子どもが触ったりしないように厳重に注意し、剪定作業に際しては格段の注意が必要なのだ。

 「麗しき花に毒あり」 何処かで見た警句だが、改めて噛み締めたいものだ。




           青空を仰げば梢に揺れる花

           枝を伸ばした夾竹桃かな


           紅の薄き花びら なお淡く

           夾竹桃は競いて咲くかな
 

           いずこにも枝を伸ばして咲く花の

           夾竹桃とは親しき仲かな


           おおかたの人々何故か知らぬらし

           夾竹桃の秘めにしさがを


           何処にでも枝を伸ばして咲く花が

           毒を秘めたる夾竹桃とは


           麗しき花に毒あり 世の常の

           警句なれども 身近にあるとは


           つつしみを弁えおれば麗しき

           花の心は限りなきとて 







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