花時の終わりに近い「モナルダ」に揚羽蝶が羽根を休めて、別れを惜しむかのような姿が、何とも言えない。モナルダは初夏のころまで溌剌と咲くが、猛暑に堪えて良くぞガンバッタ。命の短いことをお互いに承知しているのであろう、揚羽蝶とモナルダが別れを惜しむ風情には、胸がしびれた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/c3/e79a1a4765bac0ffececc4d5c4a464d2.jpg)
撮影とご提供 片岡勝子様
この花の和名は矢車薄荷、或いは松明花。
元気に咲く姿は、鯉幟の「矢車」を思わせる。 紅に燃える様に咲く姿は、「松明」を
思わせる。 古人は花の咲く姿をみて、頭に浮かぶイメージを的確に捉えて名前を
授けたのだ。古人の感性には、感服だ。
モナルダに羽を休める揚羽かな
互いに短い命を惜しむや
萎れゆく花との別れを惜しむらむ
隣りの盛華を揚羽は無視して
花と蝶の猛暑の夏を偲ぶかな
燃える命を託した仲なれ
松明の名前を授かるそ文字かな
炎を燃やして夏を咲ききり
燃ゆるもの受けにけらしも揚羽蝶は
逝く夏惜しむや花との別れを
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