「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「モナルダと揚羽」

2015-08-28 00:43:40 | 和歌

 花時の終わりに近い「モナルダ」に揚羽蝶が羽根を休めて、別れを惜しむかのような姿が、何とも言えない。モナルダは初夏のころまで溌剌と咲くが、猛暑に堪えて良くぞガンバッタ。命の短いことをお互いに承知しているのであろう、揚羽蝶とモナルダが別れを惜しむ風情には、胸がしびれた。


                        撮影とご提供 片岡勝子様

 この花の和名は矢車薄荷、或いは松明花。
元気に咲く姿は、鯉幟の「矢車」を思わせる。 紅に燃える様に咲く姿は、「松明」を
思わせる。 古人は花の咲く姿をみて、頭に浮かぶイメージを的確に捉えて名前を
授けたのだ。古人の感性には、感服だ。


           モナルダに羽を休める揚羽かな

           互いに短い命を惜しむや


           萎れゆく花との別れを惜しむらむ

           隣りの盛華を揚羽は無視して


           花と蝶の猛暑の夏を偲ぶかな

           燃える命を託した仲なれ


           松明の名前を授かるそ文字かな

           炎を燃やして夏を咲ききり


           燃ゆるもの受けにけらしも揚羽蝶は

           逝く夏惜しむや花との別れを







最新の画像もっと見る

コメントを投稿