「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「田代山湿原の花々」

2013-07-03 20:42:16 | 和歌

 会津地方・田代山湿原の花々の写真を、友人がご恵送下さった。
普段お目に掛れない高山湿原の花々だ。友人のお許しを頂いたので、読者の皆様にもお裾分けでご紹介する。

 「標高1,971mの田代山は山頂近くに、世界的にも稀な台形状の山頂湿原があって、この季節には様々な高山植物が咲き誇っていて、中々の散策でした」と認められていた。

 友人・末木隆夫氏が撮影・ご提供下さった原画は、解像度も色調も抜群のパノラマ写真であったが、ブログ掲載に際しての制約から、サイズの縮小・アップロードなどの操作により、写真の品格が残念ながら損なわれた。同氏にお詫びしつつ、念のためここに付記する。

 
                           コバイケイソウ(小梅けい草 ユリ科)

花図鑑によれば小梅けい草は、「花を咲かせるに十分な養分を必要とし、数年に一度しか咲かない」とある。何とラッキーな廻り合わせであったことか! 

 再び末木氏のメール抜粋
「霧降高原に寄ったのですが、一寸先も見えないガスに覆われた中で、一瞬ガスが消えた時に撮った日光キスゲの群生写真です。」

 
                           (日光黄萓 ユリ科)

 濃霧の名残が観られる生々しい景色に、感嘆した。虚庵居士の田舎、霧ケ峰高原の日光キスゲが懐かしく想い出された。 なだらかな丘陵状の草原を埋め尽くして、日光キスゲが咲いていることであろう。


                    ワタスゲ(綿萓) 別名スズメノケヤリ(雀の毛槍)

 次の写真には可憐な花に似合わぬ、「チングルマ」との奇妙な花の名前が添えられていた。念のため花図鑑のお世話になって調べたら、次のような解説が見つかった; 受粉が終わると、花弁と雄しべが落ち、雌しべが長く伸びて鬚の様な綿毛になります。その形が、昔の子供(稚児)がもつ風車に似ていることから「稚児車」と呼ばれ、それが訛って「チングルマ」になったということです。

 さらに驚く解説が付いていた; この花について断わっておくと、実は、一見草のように見えるこの植物は、地面を這う落葉低木、つまり木の仲間だということです。


                         チングルマ(稚児車 バラ科)


           高山の湿原に咲く花々を

           観れば一緒に行く心地かな


           数年に一度の花の饗宴を

           はからず観るとは僥倖なるかな


           一寸の先をも見えぬ濃霧きれて

           日光キスゲの迎えをうけしか


           綿萓の見渡す限りの湿原に

           思ひのほどをひろげし君かも


           稚児の持つ風車を花の名前にと

           みやびの心にしびれる爺かな







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