「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「ヒツジグサ・未草」

2015-07-13 02:29:19 | 和歌

 雨に濡れた「ヒツジグサ・未草」の可憐な花の写真が、広島の先生から届いた。
水面の波紋や、睡蓮の葉の雫を見ればかなりの雨の中で、撮影された写真の様だ。傘を片手に、カメラを構えたであろう姿が偲ばれる。


                        撮影とご提供 片岡勝子様

 この未草は、尾瀬沼ではよく見かけるが、数ある睡蓮のなかでも日本では唯一の自生種だという。沼に咲く睡蓮の花が、何故に「ヒツジグサ・未草」との名前なのかに疑問を感じて、花図鑑のお世話になった。

 未(ひつじ)の刻(午後2時頃)に花が開くことから、この名前になった様だが、更に興味深いことが見つかった。普通の睡蓮は蓮根で繁殖するが、未草は種で増えるという変わり者のようだ。 こんな可憐な花の後には実が生り、その実が水中に落ちて子孫を残すとは、想像外であった。

 人間も自然界も、次世代に託す思いには特別の思い入れがある。
雫を湛える未草の花を観つつ、子や孫に託す思いに耽る虚庵居士であった。
 

           白妙のひつじくさの花に寄り添うは

           きらめく雫のはすの葉かな


           睡蓮の雫のきらめきに偲ぶかな

           ヒツジクサへの清楚な思ひを


           白妙の花咲く姿に見惚れるや

           降る雨厭わずカメラを向けるは


           降る雨に濡れそぼらずやカメラ手に

           ひつじくさとの語らひつづけば







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