「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「時計草」

2015-07-17 00:50:10 | 和歌

 初夏から初秋にかけて咲く「時計草」は誠に面白い花だ。
花の構成がかなり複雑で、それぞれのパーツも誠にユニークだ。


                        撮影とご提供 片岡勝子様

 この花に興味を抱くのは虚庵居士だけでなく、世界的にもこの花に託した物語は豊富だ。中でも欧米では花の珍しい構成に、イエス・キリストの受難を重ねあわせて、「受難の花・Passion flower」との名前で、キリスト教の布教に利用し、原産地の中南米から世界に広まったとの説もあるようだ。

 彼らによればこの花のキリストの受難とは;花の子房柱が十字架、3つに分裂した雌しべが釘、細い放射状の副冠は茨の冠、5枚の花弁と5枚の萼は合わせて10人の使徒、巻きひげはムチ、葉は槍であるなどと連想したようだ。

 時計のイメージから、ごく素直に「時計草」と呼び納得する日本人と、それぞれの花のパーツにキリスト受難の物語を重ね、連想を拡げる彼らの感性の違いには、目を瞠るものがある。例えば、単一民族と多数民族が交流を重ねたカルチャーの違い、純粋さを求める潔癖な国民性と多様性を重んじる民族性、宗教への依存性などだ。


           よく見ればおもろき花かな時計草は

           複雑なれども規律を弁え


           一目見て連想確かむ時計草が

           イエス・キリスト受難の花とは
 

           一つづつ受難の証しの説明を

           聞けば成るほど受難の花かな


           世の中に広まりしかもこの花は

           受難の花ゆえ? おもろき花ゆえ?







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