「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「柾の実」

2014-12-21 20:27:08 | 和歌

 柾(まさき)の豆粒ほどの実が割れて、中から紅色の種が顔を覗かせていた。



 道端の柾の枝には、そこ此処に実が生っているが、何れも割れ目ができて、艶やかな紅色の種が僅かに覗いているのが、何ともカワイイ。小さな実は「おしろい」で
お化粧をしたかのように、うっすらと白粉を刷いていたが、その対比がまた心を擽ってくれる。

 柾の葉や若枝などには白い粉が付き易いが、事に依るとうどん粉病かもしれない。しかしながら、艶やかな紅色の種を引立たせるには、爆ぜた白い実皮が打ってつけではないか。

 柾の初冬の表情にこんな一面を見つけて、思わず目を瞠った散歩であった。 





           何気なく柾の枝に目をやれば

           小粒の実が割れ 紅が覗けり


           紅色の艶やかなるは種ならむ

           爆ぜた実皮ゆ顔だすそなたは


           そこ此処に稚けなき実の何れもが

           割れ競ふかな紅種いだきて 


           艶やかな紅色の種の誕生を

           実皮は祝うや おしろい化粧で







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