横須賀・馬堀海岸の椰子並木のプロムナードは、多くの市民が散歩を楽しむのには、将に打ってつけの環境だ。
東京湾では唯一つの天然島、「猿島」を目の前に観ながら、その向うには横浜のランドマーク・タワーが見える。足を延ばして走水の峠に至って振り返れば、三浦半島の低い山並みの向うに、富士山がくっきりと浮かび、殊に夕暮れには、カメラ愛好家の皆さんがそれぞれの定点に三脚を構えて、シャッターチャンスを狙っている。
椰子並木の根じめの一つとして、前回は磯菊をご紹介したが、今回は「アイスプランツ」をお目にかけたい。厳寒のこの時節ですら、ピンクと白の可愛い花を咲かせている。所々に備えられた花札には「ツルナ科・アイスプランツ」と表示されているが、花図鑑で調べてもなかなかこの花に辿りつけない。虚庵居士にとっては散歩の都度お馴染みではあるが、どうやらわが国では数少ない花なのであろう。
数多くの花図鑑を調べ、やっと辿りついた説明によれば、南アフリカ原産だが自然交配を繰り返し、最近では大陸を渡って北米に至り、オレゴン州の南部からメキシコの太平洋海岸・断崖に自生するらしい。地を這って延びる多肉植物で、花期は4~9月頃とあった。今頃になって花をつけているのは、椰子並木の根元の日溜りに守られてのことであろう。
一般の花図鑑で「ツルナ科・アイスプランツ」を検索しても、「アイスプランツ」は何処にも見出せず、近親種の「松葉菊」が紹介されているのに留まっていた。「アイスプランツ」は本来的には砂漠や土壌の乏しい岩石地帯で、塩分が濃縮された地域であっても、多肉質の葉の表面に塩分を結晶させて生き延び、その状態があたかも凍っているかのように見えるところから、「アイスプランツ」と呼ばれたもののようだ。
花図鑑の受け売りで恐縮だが、英名は”Ice plant”又は”Sea fig”、学名はカルポブローツス・キレンシス(Carpobrotus chilensis)とあった。
花の美しさもさることながら、寒さで赤く染まった子供の指を思わせる「アイスプランツ」は、節分を迎えてこの時期では、「いとおしさ」も一入である。
アフリカの砂漠に産まれ海越えて
厳しき寒に花咲くきみかな
海岸の椰子の並木に選ばれて
きみは咲くかなおのれの限りを
こごえるや稚児の指先てのひらに
包みて温(ぬく)めむ息をも吹き掛け
寒さの中、かわいらしく咲くピンクの花もけなげですが、
子供の指に例えられた、この「つくつく」に目をうばわれました(笑)
虚庵さまの表現された「いとおしさ」って言葉が
本当にピタッとはまる感じです
最近、写真撮っていない私ですが・・・こんな写真見たら
また植物接写したくなっちゃいました
ピンク好き
それはなにより証しです
心の純なおみなごの
ハートはピンク 透けている
濁りもテライモ何もない
綺麗な心の証しです
ピンク好き
そんな貴女に恋こがれ
ピンクのお花を見る度に
Jamさま思うじじなれば
こころを許す花たちは
言葉をかわして
うなずく友かな
ありがとうございまーす