「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「舞鶴城・唐津くんち と 原子力発電」

2010-11-08 02:49:45 | 和歌

 何年振りかで九州の唐津市を訪ねた。

 かねてより機会があったら「唐津城」を訪ねたいと願っていたが、偶々講演の依頼があって、その帰路に別名「舞鶴城」を仰ぎ観る機会に恵まれた。

 この近くには、九州全域の電力需要の約30%を供給している玄海原子力発電所があるが、地元の皆さんのご理解に支えられて、わが国でもトップレベルの成績を維持している発電所だ。原子力発電はわが国の基幹電源として、無くてはならない存在であるが、国民の理解は必ずしも十分とは云えない側面もある。しかしながらこの周辺に関する限りは、住民の皆さまの原子力に関するご理解は、理想的とも云える状況だ。原子力発電所は電気事業者の資産ではあるが、地元の皆さんに理解され支援を頂いている状況は、「貴重な社会資産」として住民の皆さんの誇りとすべきものだと、講演の中でも訴えた。

 「唐津城」が構築されたのは慶長十三年(1608)の昔であるが、それ以来、住民の誇りのシンボルとして
仰ぎ見られて来た。「舞鶴城」との呼称も、住民の親しみと賛美の気持ちを籠めたものであろう。ただ単に城の美しさだけではこの様な尊称は得られなかったに違いあるまい。初代の城主・寺沢志摩守広高はじめ、代々の城主の住民に対する姿勢を住民は感じ取って、城主への尊敬の念も籠め、誇りのシンボルとして「舞鶴城」と呼称したのであろう。





 原子力発電所は、「無くてはならない電気」を安定して供給し続け、そのために発電所の従業員は昼夜を問わず頑張ってくれていることに、思いを致したいものだ。私たちは、スイッチを入れれば電気はいつでも使えるので、それが当たり前になって発電所でのご苦労など思いもしないが、時には心の中で、彼等を労い感謝したいものだ。

 「唐津くんち」の祭は前日に打ち上げて、観損なった。幸いにも市民会館前に、未だ熱い余韻を残して展示されていた山車と対面できた。城主と住民が一緒になって祭を楽しんだ当時に思いを馳せながら、魚町の山車「鯛」や、新町の「飛龍」の誇らしげな表情に見惚れた。





              仰ぎ観れば翼を広げる鶴なるや

              城下の誇る舞鶴城かな


              人々は殿への思いを城の名に

              重ねて仰ぐや舞鶴城をば


              朝日さす唐津くんちの山車みれば

              いまだほとぼり冷めやらぬらし


              醸せるは社会資産と誇るべし

              共に築ける固い絆は







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