このところ多忙な日々が続いたので、僅かな時間であったが、自然の息吹に触れたくて近くの山道を散歩した。ふと見ると、熟してカラフルに色付いた「野葡萄」が沢山なっていて、大収穫の散歩であった。
かつて青森県三沢の古牧温泉に宿泊した際に、湖の畔で撮影した「野葡萄」をご紹介したが、その際に俄か仕込みの知識で、野葡萄は肝臓の漢方薬としても出色の薬効があるらしいと認めた。
呑兵衛の虚庵居士にとって、酒は調べごとや原稿の執筆には無くてはならない伴侶だ。手当たり次第に呑み続けた結果、肝臓には夙に脂肪がたっぷりと蓄積されているので、お世話になってきた吾が「肝臓」殿に、漢方薬「野葡萄」でご恩返が出来ればと念じていた。
図らずも、その「野葡萄」が収穫出来ようとは、将に神のお導きに違いあるまい。
かつて野葡萄の実は「些かドギツイ色合」で好きになれなかったが、いまや「自然の見事な彩り」に見えるのだから、現金なものだ。
酒くらひ吾が肝いじめて久しければ
野ぶどう摂りてお礼となすべし
たまぼこの山道歩みて巡りあふ
野葡萄の実は神の恵みか
何時にしか厭いし色合い好もしく
見ゆるぞ可笑しも野葡萄の実は
野葡萄の薬効あれと摘みくれば
織りなす彩り麗しきかな
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