「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「万寿菊」

2006-10-22 20:27:48 | 和歌

 「万寿菊」が、行く秋を惜しむかのように咲いていた。

 背の低い「万寿菊」が、植えられてからかなり長期に亘って、咲き続けて来たのであろう、徒長した茎は倒れて這い蹲り、なお一層背を低くして健気に咲いていた。

 一般的には「マリーゴールド」と呼ばれているが、これほど色々な別名を持っている花も珍しい。孔雀草・千寿菊・万寿菊・山椒菊・紅黄草・アメリカンマリーゴールド・フレンチマリゴールド・アフリカンマリゴールド等など。花の呼び名が多いのは、洋の東西を問わず身近な存在として、人々に愛されている証であろう。

 人間も本名のほか、雅号・芸名・ペンネーム・バンドルネームなどまでは良いが、彼方此方に「ターさん」とか「スーちゃん」などと浮名を流すのは余り頂けないし、変名を使う類は殊更に胡散臭い。「虚庵」は雅号として使って来たが、グローバルなネットワークの時勢には、自ら「化石人間で御座い」と名乗る陳腐な雅号に違いあるまい。







             紫の小花のタピアンをかき抱き
  
             頬ずりするは万寿菊かな








             花蜘蛛をかんばせに乗せ万寿菊の

             刻は止まりぬ陽は傾くも 








             じじとばばたたずむふたりあきのひに
 
             ながきつきひをはなさきつづけて 





    

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