「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「葉山の冬野菜」

2012-02-12 00:50:25 | 和歌

 葉山のゴルフ場で、お土産に「葉山の冬野菜」のセットを買った。

 圧巻は、直径が20センチはあろうかという蕪大根だ。ズシリと重い手応えも、なかなかだった。発砲スチロールにパックされた冬野菜は、彩も鮮やかで、「たべて食べて」と訴えている様にも見えた。普段はお野菜など買ったこともない虚庵居士であるが、新鮮な野菜を携えて意気揚々と帰宅した。蕪も種類の異なるものが各種、ミニ人参と赤大根、小松菜とキャベツなど、早速カメラに収めた。

 親戚の若者が、アルバイト先が決まって書店に勤めることになったとの、お手紙を頂戴した。彼は非常に優秀な若者で、さる有名国立大学に現役で入学したが、体調を崩して郷里に帰って静養していた。一日も早く健康を取り戻して、彼の長い人生に雄々しく立ち向かって欲しいものと念じていたが、先ずは書店のアルバイトから復帰の第一歩を踏み出すとの知らせだった。

 葉山の冬野菜を見ながら、優秀な若者のこれからの人生に思ひを馳せた。
肥沃な畑で、お百姓の丹精込めた手入れがあれば、斯くも豊かなお野菜が育つ。色鮮やかな小蕪も、緑豊かな小松菜も、それにミニ人参もそれぞれに己の特性を存分に発揮して、魅力ある冬野菜として収穫された。

 冬野菜の写真を絵葉書に仕立て、ごく短い励ましの手紙を送った。彼に相応しい人生を歩み、豊かな収穫を願わずには居れない。


 

          緑濃き菜の葉も小蕪も取り出せば

          手応えズシリと大蕪ひかえぬ


          赤大根は 色鮮やかに問いかけぬ

          如何なる料理をお望みなるかと


          ミニ人参の香りよろしと我妹子の

          つぶやき聞こゆ調理の合い間に
 

          大蕪を早や薄く切り だし昆布と

          漬物仕込めば明日ぞ待たるる


          故郷に静養重ねる若者は
          
          復帰の一歩に書店を選びぬ 


          末永き君が人生思ふかも

          葉山の冬を彩る野菜に


          様々な野菜に擬え願うかな

          君が人生豊かにあれかし







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