「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「厚葉君が代蘭」

2012-02-07 21:27:12 | 和歌

 半月ほど前になるが、町内を散歩していたら何と「厚葉君が代蘭」が咲いていた。

 別名「ユッカ蘭」とも呼ぶが、本来は初夏に咲く花がなぜ真冬に咲くのだろう。冬の澄み切った青空に、背丈を伸ばしたユッカが誇らしげであった。近寄って花の表情をよく見れば、中には、開花してからかなりの日数を経ているのも見受けられたが・・・。

 今年の冬は、日本海側では連日の大雪に見舞われ、雪掻きすら侭ならない状態が報じられているが、一方、太平洋に面した地域では、季節外れの花もちらほら咲いているようだ。東太平洋から西太平洋に巡る海流の、地球規模の温度変化が、複雑な気候変動をもたしているようだ。気象学に関する知識は、全く持ち合わせていない虚庵居士であるが、思わず出会う自然の気まぐれに、驚かされるこの頃だ。

 それにしても、余りの季節外れ振りが気になって、花図鑑をひも解いたら、ユッカ蘭は二度咲きだと知れた。殊に秋の花は、開花時期がかなりのバラツキがあるようだ。9月下旬頃から咲き出すものと、11月になってから咲き出すもの、場合によれば『年を越して咲きつづけるものもある』との解説に出遭って納得した。

 「厚葉君が代蘭」との名前も気になるところだ。日本の国歌「君が代」を名前に頂くとは、どのような謂れがあるのだろうか。チョット離れて「花の佇まい」を暫らく眺めていたら、ハタと気が付いた。命名の理由が見えてきたのだ。
ユッカ蘭の花茎は背筋をピンと伸ばして直立し、厚葉は、高貴な白い群花を見上げて、恰も万歳をしているようにも見えるではないか。整列して「君が代」を斉唱し、声を張り上げて万歳を三唱した子供の頃が、懐かしく思い出された。

 それに引き替え昨今の学校教職員の中には、式典での「日の丸」掲揚や「君が代」の斉唱たいして、異を唱える者がいるようだ。しかも全校生徒が起立する中で、席に坐したまま余所見をする教師は、神聖な教職員として相応しい姿勢であろうか。「国家」を盛り立て、「国家」を護るとはどの様なことなのか、その為に国民は何が出来るのかを、改めて考え直す必要があるようだ。


 

          夏花が何故に真冬に咲くのかと

          見上げる厚葉君が代蘭かな


          大雪の異変も花の狂い咲も

          地球の気候変動ならむや


          念のため図鑑をひも解き調べれば

          早とちりを恥ず二度咲く花とは


          誰が授け伝えて来しかもこの花に

          厚葉君が代蘭の名前は


          花の名に君が代戴くユッカ蘭の

          姿を惚れ惚れ仰ぎ観るかも


          君が代を姿勢を正して歌いしは

          尋常小学 一年生かな







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1 コメント

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Unknown (キャメロン)
2012-02-17 23:29:16
高い 花 だね
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