ご近所の「紅藤・べにふじ」が見事に咲いた。
「うつろ庵」のごく近くのこのお宅では、玄関から駐車スペースにかけて、藤棚が
三段重ねに設えられていて、それぞれの段に見応えのある房花を垂らしていた。
このお宅の藤の花は、淡い紅色の花房が特徴だ。一般的には藤紫色の山藤や野田藤をよく見かけるが、見聞の狭い虚庵居士にとっては、「紅藤色」の花は見かける機会が少ない藤だ。
花図鑑に依れば、紅藤とよく似た「本紅藤」という品種もあるようだ。花図鑑の掲載写真で比較すると、「紅藤」は花房全体が紅藤色に染まっているが、「本紅藤」は白い花弁と、中央部の口唇の紅色の対比がハッキリしている様に見受けられた。
さは申せ、咲いてからの時間により花は微妙に変化するから、写真による比較はこの程度で控えたい。
それにしても、ここのお宅の藤はかなりの年数を経て、丹精されたもののようだ。
藤棚に絡んだ逞しい蔓も、また細い蔓もよく手入れが行き届いて、花房の付も見事だ。
残念ながら住人にお会いできなかったので、無断で写させて頂いたが、ご主人が居られれば、薀蓄をお訊きしたいものであった。
かなりの思いが籠められているに違いあるまい。
紅藤は三段重ねの藤棚で
主の期待に応えて咲くらし
いと長く花房垂れて重なれば
紅藤色の緞帳を観るかな
やがて開く緞帳の向こうに何観るや
主に訊かまし薀蓄のほどを
淡きべに藤色小花のそれぞれの
乙女のかんばせ観れば楽しも
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