「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「ピラカンサス」

2006-05-25 00:48:21 | 和歌
 
 ピラカンサス(常盤山櫨子・ときわさんざし)の花が、枝にギッシリ詰まって咲いている。
「もうこれ以上詰められません!」と、悲鳴が聞こえそうだ。やがて深紅の実を生らせるが、
その実も又、負けず劣らずの詰りようだ。






             五月雨の常盤山櫨子の花に問ふ
 
             いかで斯やは景色だつかも




 生物の世界では、種の保存の法則が働いて、無量大数の卵や子を産むが、外敵に食べられたり、天候や潮汐など厳しい自然の摂理によって殆どが淘汰されるので、生き残って次世代に命を繋ぐのは、ごく限られた数になる。ピラカンサスの花と実も、その類かも知れないが、結実の効率が百%に近いのには驚かされる。






             赤き実の百重なすさま思ふれば

             くすしくあらずも群れ咲く小花は




 真冬になって、鳥たちの食べ物が無くなた時節には、ヒヨドリにとっては飢えを凌ぐ貴重な
餌だ。人間様にとってもモノトーンの季節の、数少ない彩ではあるが、余りに詰まった姿は
「どうも好みに合わぬ」 という人もいるようだ。






             枝も葉も見えぬ程なる赤き実の

             燃ゆる思ひかピラカンサスは






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3 コメント

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ピラカンサス (へぶらいびと)
2006-05-25 10:19:11
母のいる実家の庭に樹齢40年のピラカンサスがあります。新芽の伸びが速く、何時の間にか隣の窓へお邪魔するので切っているのですが、そのたびに鋭い針に痛めつけられています。今年もまた戦わなければなりません。
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鳥のおみやげ (風待人)
2006-05-25 16:32:35
いつの間にかウチの小さな庭の片隅に

センリョウが生えていました。



子どもが小さい頃、赤い実を摘んで遊んでいましたっけ・・・





花咲きて  思いださるる  冬の空



    赤い実つみて  ほほ染める吾子

  
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燃えるヒラカンサス (虚庵)
2006-05-25 22:09:58
へぶらいびと様



勢いの旺盛なヒラカンサスは、花も実も沢山つけますが、

枝の徒長もかなりなものです。

紅の実をビッシリ付けるのは、燃える心の現われ。

そして又、茨は恋に燃える反動か 



   

風待人さま



  千両の紅の実におさな児は

  ままごと遊ぶや指先朱に染め











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