ピラカンサス(常盤山櫨子・ときわさんざし)の花が、枝にギッシリ詰まって咲いている。
「もうこれ以上詰められません!」と、悲鳴が聞こえそうだ。やがて深紅の実を生らせるが、
その実も又、負けず劣らずの詰りようだ。
五月雨の常盤山櫨子の花に問ふ
いかで斯やは景色だつかも
生物の世界では、種の保存の法則が働いて、無量大数の卵や子を産むが、外敵に食べられたり、天候や潮汐など厳しい自然の摂理によって殆どが淘汰されるので、生き残って次世代に命を繋ぐのは、ごく限られた数になる。ピラカンサスの花と実も、その類かも知れないが、結実の効率が百%に近いのには驚かされる。
赤き実の百重なすさま思ふれば
くすしくあらずも群れ咲く小花は
真冬になって、鳥たちの食べ物が無くなた時節には、ヒヨドリにとっては飢えを凌ぐ貴重な
餌だ。人間様にとってもモノトーンの季節の、数少ない彩ではあるが、余りに詰まった姿は
「どうも好みに合わぬ」 という人もいるようだ。
枝も葉も見えぬ程なる赤き実の
燃ゆる思ひかピラカンサスは
勢いの旺盛なヒラカンサスは、花も実も沢山つけますが、
枝の徒長もかなりなものです。
紅の実をビッシリ付けるのは、燃える心の現われ。
そして又、茨は恋に燃える反動か
風待人さま
千両の紅の実におさな児は
ままごと遊ぶや指先朱に染め
センリョウが生えていました。
子どもが小さい頃、赤い実を摘んで遊んでいましたっけ・・・
花咲きて 思いださるる 冬の空
赤い実つみて ほほ染める吾子