エニシダの鮮やかな黄色の花が、満開になった。
写真のこの株は鉢植えで、さして大きくはないが、露地植えのエニシダは、自由に枝を伸ばして身の丈ほどになる。どこのお宅のエニシダもそれぞれに、沢山の花を付けて眼を愉しませてくれる。 エニシダの細くスーッと伸びた枝こそが、物語や絵本に出てくる「空飛ぶ魔女のホウキ」に使われていることは、殆ど知られていない。日本の魔女は「竹ぼうき」に跨っているが、魔女物語の中世ヨーロッパに竹は無いので、竹ぼうきに跨れるはずはないのだが・・・。
ものの本によれば中世の魔女は、ナスの一種から抽出した香油のベラドンナやヒヨスを、体や「ほうき」に塗って空を飛んだという。ベラドンナやヒヨスがどの様な香油か、毒薬かは知らないが、これにはかなりのトリップ効果があるらしいので、ヒョットすると空を飛んでいる幻覚を味わったのかもしれない。香油や香料に凝った当時の女性達は、婆さんになると気の毒にも「魔女」にさせられたのかしらむ? エニシダにとっては、魔女物語は迷惑なのだろうか、はたまた名誉な話なのであろうか?
はしく咲く黄色の小花のさ枝手折り
きみに捧げむ髪の飾りに
名にし負う魔女の箒はエニシダの
さ枝で作ると知り給ふや君
暁にあらずもエニシダ咲きたてば
五月雨空の朝日かと 思ほゆ
イギリス王室御用達の箒職人を取材する番組
を見ましたが、広い庭園は、やはり箒で清掃しているとかで、かなりの注文が有るそうです。でも出来栄えは、どうってことは無かったです。
有るとしても、間違っても魔女の「エニシダ箒」ではあるまい。
我国では、「勤労奉仕」と畏れ多い「お会釈」「ご下賜の品」に支えられているが、「イギリス王宮の庭掃除」はどうなっているのでしょう?
トクタン様のご覧になった番組では、触れていませんでしたか?