「うつろ庵」の狭い花壇では、ムスカリと共に「ヒヤシンス」が咲き誇っている。
テラスに据えた手造りのテーブルで、日向ぼっこを楽しみつつ花壇の花を愛で、
ワイングラスを傾け、ランチを頂くのが虚庵居士のささやかな贅沢だ。
寒気の厳しいかったこれまでは些か無理だったが、桜が咲くこの頃はテラスでの
ランチはご機嫌だ。足元のムスカリやヒヤシンスに次いで、紫蘭やブルーベリーも既に綻び始めた。ごく狭い「うつろ庵」の庭ではあるが、新緑に囲まれ草花が咲き、小鳥が飛び交う庭は極楽浄土ではあるまいか、などと虚庵夫人と戯れるこの頃だ。
相変わらず時間に追われ、あるいはパソコンに向かう時間が減らない毎日だが、
僅かな時間でも庭の草花や庭木と共に過ごすのは、安らぎが得られる。
ほんのチョット手を加えればそれに応えてくれる、自然の反応にも目を瞠る。言葉が伴わないまでも、胸がトキメク交歓になろうとは、思いもよらぬことであった。
足元のヒヤシンスの花咲にけり
花弁を反らすは瑠璃色誇るや
いと狭き庭にはあれど様々な
歓び給わる極楽浄土か
わぎ妹子と戯れことに言いたれど
思えばまことのことならめやも
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